アプリケーションノート
用途: 金属チューブなどの部品における金属ろう付け継ぎ手の完全性検査。
背景: ろう付けは、小径の金属チューブなど小さい金属部品(電気接点など)の継ぎ手部分によく使用される処理です。 溶かした金属充填剤を毛細管引力によって2つの部品間の隙間に流し込む方法で接合します。 この処理は、はんだ付けに似ています。 比較的融点が低い一般的な銅、銀、錫、亜鉛などの合金が使用される金属充填材は、表面を濡らした接合対象となる2つの部品の隙間に充填する必要があり、冷却して固めてそれらの部品を結合します。 ろう付け金属が適切に流れ込んでいないか結合していない場合は、継ぎ手の完全性に影響を及ぼします。 通常、この問題は超音波探傷器で識別できます。
機器: 大半のろう付け継ぎ手はEPOCH LTC、EPOCH 600、EPOCH XT、およびEPOCH 1000などオリンパスの超音波探傷器で検査できます。 標準的な形状のろう付け継ぎ手の場合、小径の接触型または遅延材付きのトランスデューサを使用するのが一般的です。 トランスデューサは検査対象の継ぎ手の形状ごとに選択する必要がありますが、標準的な小径チューブの場合、最も一般的に推奨されるのはV208-RM(20MHz)およびV260 Sonopen(15MHz)トランスデューサです。
手順: ろう付け継ぎ手は直進ビーム検査によって一般的に検査されますが、この検査では、外部の金属部分の内面から発生するエコーの振幅をモニターします。 検査ポイントのろう付け継ぎ手が良好である場合、金属同士の接合部は比較的小さい反射を返す一方で、空隙があるとはるかに大きな反射が返されます。 これらの反射レベルは、ケースごとに既知のろう付け状態または非ろう付け状態を表すサンプルに対して設定することによって確立します。
以下の例で、V208-RMトランスデューサおよびEpoch XT探傷器で検査した9.5mm(0.0375インチ)と12.5mm(0.5インチ)の銅管のろう付け継ぎ手から発生する典型的なエコーが示されています。 最初の波形は外面チューブの非ろう付け部から発生する基準エコーを示しており、ゲートにマークが付けられ、フルスクリーンに近い高さに設定されています。 2つ目の波形は適切にろう付けされたポイントからの応答を示しており、ゲート域のエコーは非常に低いレベルまで落ちています。 ゲート内のエコー振幅を観察し、これらの基準レベルと比較することにより、オペレーターは各検査ポイントの継ぎ手の状態を判別できます。
音波ビームの範囲内にある部分的なろう付けが中レベルのエコーによって示されます。 注:この手順では、ビーム径のごく一部であるピンホールなど、非常に小さな不連続部は検出されないことに十分留意してください。
非ろう付けポイントから生じる典型的なエコー応答。
ろう付けポイントから生じる典型的なエコー応答。