リチウム用ポータブルX線回析装置
ペグマタイト鉱床における探鉱、鉱業、抽出
TERRA分析計をはじめとするオリンパスのポータブルX線回折装置(pXRD)を使えば、地質学者や冶金学者は、あらゆる鉱物種の定量鉱物学的情報をほぼリアルタイムで得られます。 探鉱地質学者はこうしたデータを使用して、より的確な判断を現場で下すことができます。 冶金学者はpXRDを使用して、より効果的な混合方式の開発に必要な情報を入手したり、リチウム回収量を上げるために処理や精製技術の最適化を図ったりすることができます。
オリンパスのポータブルX線回折装置(pXRD)の利点
オリンパスが誇る画期的なpXRDにはたくさんの利点があります。
- 少量の試料で測定: 必要な鉱物の量はわずか15 mg
- 試料の前処理が容易: 熟練技術者は不要
- 高速データ収集: 数分で測定結果を取得
- スタンドアローン装置: 水冷や大型の外部電源が不要
- 継続的なメンテナンスが不要: ダウンタイムを最小化し、定期的なX線回折を実行可能
- 携帯性: バッテリー駆動式で可動部品のない堅牢設計
探鉱
リチウムはペグマタイト岩石内のさまざまな鉱物に含まれています。 リチウムが含まれる主な鉱物のリストを表1に示します。 オリンパスのpXRDでは、こうしたすべてのリチウム含有鉱物を、反射率に関係なくすばやく特定し、定量化することができます。 定量鉱物学から化学分析結果が逆算されて、地質学者は現場にいながらリチウム濃度の優れた概算を得ることができます(図1)。 ラボからのリチウム分析データを何日も何週間も待たなくても、探鉱地質学者はオリンパスのpXRDを使用して、以下のような判断を的確にリアルタイムで行うことができます。
- 掘削穴を掘り止めるか広げるか
- 次の掘削穴の位置
- 特定の領域内でのマッピングを継続するか否か
図1: ラボの測定によるLi2Oと定量X線回折による概算の比較.
処理と抽出
Li2Oの濃度を把握することは重要ですが、リチウム含有相の存在(およびその数量)を識別することは、多くの場合でさらに重要です。 リチウムは一部の鉱物からは容易に抽出できますが、その他の鉱物から抽出するのは不可能に近いほど困難です。 定量鉱物学を利用できれば、冶金学者はより適した混合方式の開発したり、処理の最適化を図ったりすることができます。
X線回折装置は、リチウム濃度を低下させる恐れがある脈石鉱物の特定にも使用できます。 例えば、比重選鉱はリシア輝石を選鉱するための冶金プロセスです。 それ以外のリチウム非含有輝石にはリシア輝石と同じ比重を持つものがあるため、他の輝石を特定および定量化することが重要です。
データ品質
オリンパスのポータブルX線回折装置は、ラボ所有のX線回折装置と同等のデータを提供できます。 これを示すため、リチウム含有ペグマタイトの定量X線回折結果から化学組成を逆算し、その結果をラボの化学分析結果と比較しました(表2および図1と2)。
表2: ラボの測定によるSiO2、Li2O、Al2O3、Na2O、K2Oと定量X線回折による概算の比較.
図2: ラボの測定によるAl2O3、SiO2、Na2O、K2Oと定量X線回折による概算の比較.
この用途に使用される製品
https://main--eds-evident-website--evident-scientific.hlx.live/ja/xrf-xrd/mobile-benchtop-xrd/terra/
TERRA™ II ポータブルX線回折装置
TERRA™ IIは、鉱物の定量分析を行えるポータブルX線回折装置です。 最大6時間のバッテリー寿命と丈夫で防水性に優れたケースを特長とするこの装置は、主要成分や微量成分をフィールドで迅速に分析できるように設計されています。