概要
大型鍛造品検査
鍛造は、タービン発電機シャフトや大型ディスクなど、より強度が求められる金属部品の製造に使用されるプロセスです。この製造プロセスでは、高温にした金属を金型で圧縮するのが最も一般的です。鍛造の特長は、鋳造や機械加工よりもより高い強度の部品を製造できる点です。
鍛造プロセスでは包有物やポロシティーなどの容積欠陥が発生することがあります。このような欠陥は、容積内のあらゆる場所に発生する可能性があるため、品質を確保するためにその位置と特性を正しく判別する必要があります。
大型鍛造品特有の欠陥
包有物とボイドは、金属製の材料の近表面から中心部に至るまで、あらゆる位置に発生します。このような欠陥は、材料内での位置にかかわらず、正しく位置を検出しサイジングを行う必要があります。
ビーム伝播のイメージ(左図)と、それに対応するDGSカーブ図(右図)
校正の基準
鍛造部品検査システムでは、通常、底面反射を利用して校正が行われます。距離ゲインサイズ(DGS)カーブは、予測される同等の反射源の寸法(ERS)に基づいて生成されます。生成したDGSカーブを時間補正ゲイン(TCG)カーブに変換することにより、検査判定を簡素化し作業効率を向上させることができます。
探傷方法
容積検査
容積検査は、あらゆる角度から横波を生成するフェーズドアレイプローブを使用して行います。従来型の超音波(UT)探触子は、高角の横波を生成するために追加します。
近表面検査
近表面は、ピッチキャッチの従来型超音波(UT)探触子を使用して行われるため、表面近傍の死角が最小限に抑えられます。
ソリューション
高性能なソリューション FOCUS PX
高品質のPAおよびUT装置
FOCUS PXでは、高度な超音波フェーズドアレイ技術を採用し優れたSN比を実現しています。 4つの専用UTチャンネルを使用し、大型鍛造品検査のシステム構成にさらに柔軟性を持たせることができます。
最大
12dB
従来機のFOCUS LTと比較し
SN比が向上
最大
4
専用のUTチャンネル数
用途に応じたフェーズドアレイプローブとウエッジ
専用の大型鍛造品検査用フェーズドアレイプローブでは、一般的なプローブよりも優れたSN比と、複数の角度による検査機能を実現しています。 最適なカップリングを得るために、カスタム設定できる直接接触型ウエッジの使用が可能です。
最大
4dB
一般的なプローブと比較し、
優れたSN比を実現
パワフルな専用ソフトウェア
FocusPCソフトウェアは、大型鍛造品検査の用途を最適化するための優れた機能を搭載し、高機能・高性能を追求したFOCUS PXの仕様に対応します。
連続検査
データファイルは、検査中に連続して生成されるため、大型の鍛造品でもスキャンを中断せずに検査を続けることができます。
カスタムTCG検査
DGSベースのTCGをインポートして欠陥検出を簡素化し、作業効率を向上させることができます。
FocusPCの連続検査機能
FocusPC TCGインポート機能