HydroFORM ポリマーシステム:水を使わず、腐食マッピングの適用範囲を拡大
ウォーターディレイラインが検査の制約になるとしたら?
HydroFORM™ スキャナーは、表面が粗い場合や 凹凸 のある表面での腐食マッピングにおいて、実績のあるソリューションです。独自のウォータコラム技術により、安定した音響結合と高品質なデータ取得を実現します。しかし、検査環境によっては、水を接触媒質として使用する従来の方式では対応が難しい場合があります。
高温の設備では水が沸騰し、低温環境では凍結するおそれがあります。また、ロープアクセス検査では、給水や関連機器の管理が作業を複雑にすることがあります。
こうした課題に対応するため、当社は従来のウォーターディレイラインを優れた音響特性を持つ革新的なポリマーディレイラインに置き換えた HydroFORM ポリマーシステムを開発しました。これにより、対応温度範囲を -20 ~ 175℃ に拡大し、現場での検査の柔軟性を高めています。
水を使用する方式が適さない検査環境
水は、特に粗面や腐食が進んだ表面の腐食マッピングにおいて、引き続き有効な接触媒質です。しかし、次のような条件では、水を使用する方式が適さない場合があります。
- 水の沸点に近い高温環境
- 水が凍結する低温環境
- 安定した給水の確保が難しい場所
- ロープアクセスが必要な設備やアクセスが難しい場所
こうした条件は、石油・ガス、発電、石油化学、プロセス製造などの現場で多く見られます。
現場での使いやすさを追求したポリマーディレイライン
従来のポリマーディレイラインには、検査対象表面への付着、汚染、摩耗、音響結合の不安定さなどの課題がありました。
HydroFORM ポリマーシステムは、専用設計のディレイラインと保護膜を組み合わせることで、これらの課題に対応します。
- スキャン中も安定した接触状態を維持
- 接触媒質の汚染を防止
- 信号の安定性を向上
- 検査対象表面への付着や摩擦抵抗を低減
- 摩耗を抑え、製品寿命を延長
これにより、広範囲の検査でもスムーズなスキャンと安定したデータ収集が可能になります。
最高 175℃ の高温設備にも対応する腐食マッピング
水の温度が上昇すると、超音波の伝搬経路に気泡が発生し、信号品質や検査性能が低下する可能性があります。
HydroFORM 高温用ポリマーシステムは、こうした水の制約を解消し、最高 175℃ の表面でも検査が可能です。
設備を稼働させたまま検査できるため、長時間の冷却を必要とせず、最大 30 分間のスキャンが可能です。
低温環境でも信頼性の高い検査を実現
ポリマーシステムは、水を使用した音響結合が難しい、あるいは不可能な低温環境にも HydroFORM の適用範囲を広げます。
低温環境向けに専用設計されたポリマーを採用することで、-20 ~ 50℃ の温度範囲で検査が可能です。
主な用途は次のとおりです。
- 屋外配管
- 冷凍設備
- 低温プロセス設備
- 冷蔵・冷凍施設
- 低温容器および配管
寒冷地や冬季の検査でも、水の凍結を心配することなく、安定した音響結合を維持できます。
ロープアクセス検査の効率化
ポリマーシステムには、検査に必要な機器を削減できるというメリットもあります。
継続的な給水が不要なため、付属機器や現場での準備・支援作業を減らすことができます。
主なメリット
- 検査準備の迅速化
- セットアップの簡素化
- ホースや周辺機器の削減
- 移動のしやすさの向上
- アクセスが難しい設備での検査効率の向上
ロープアクセス検査や高所検査では、使用する機器を減らすことで作業を簡素化し、生産性を向上させることができます。
水とポリマー、どちらを選ぶべきか?
2 つの方式は優劣を競うものではなく、それぞれの特長を生かして使い分けることができます。
ポリマーシステムは、HydroFORM の従来のウォーターコラム技術に代わるものではありません。同じ HydroFORM スキャナーを使用しながら、対応できる検査用途をさらに広げます。
検査可能な条件をさらに拡大
HydroFORM ポリマーシステムは、水を接触媒質として使用する必要性を減らし、-20 ~ 175℃ の幅広い温度条件で腐食マッピングを可能にします。
温度条件や検査場所へのアクセス、機器の準備・運搬などの課題がある場合でも、ポリマーシステムなら、従来のウォーターディレイラインでは対応が難しい環境で、信頼性の高い腐食マッピングデータを取得できます。