用途に合った最適なステンレス鋼を選びましょう。グレードと特性に関する実用ガイド

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Vladimir Vermus

2025 年 4 月 23 日

ステンレス鋼の化学組成はその特性を大きく左右し、性能やコスト、寿命に影響を及ぼします。主要な要因を把握し、適切な化学組成を確認することで、特定の用途に最適な選択を行うことができます。

以下に、ステンレス鋼の選定時に適切な判断を下すための 7 つの重要な要素を、実例とグレード推奨事項と共に示します:

1. ステンレス鋼にはどのような耐性が求められますか?

ステンレス鋼はさまざまな環境要因に対する耐性を備えていることが、大きな特長の一つです。耐食性は、酸や塩化物、または過酷な産業・海洋環境にさらされる用途においては不可欠です。同様に、高温・低温の双方に対する耐熱性も、過酷な環境では考慮すべき要素となります。

2. 成形性はどれくらい重要ですか?

成形性は、材料がひび割れたり構造的な健全性を失うことなく、どれだけ容易に成形できるかを左右します。

3. お使いの鋼材は、機械加工を行う必要がありますか?

ステンレス鋼の機械加工性は、グレードと組成によって異なります。機械加工中の加工硬化が課題となる場合がありますが、303 や 416 などの特定のグレードには、機械加工性を高めるために硫黄が含まれています。

4. 溶接は必要ですか?

不適切なグレードのステンレス鋼を使用した溶接では、ひび割れや腐食などのリスクが生じます。

5. 熱処理は必要ですか?

熱処理によりステンレス鋼の機械的特性が変化するため、特定の用途では重要な考慮事項となります。

自動車のギア部品には、耐食性と機械加工性のバランスが取れた特性を持つステンレス鋼が必要です。

6. 鋼材にはどれくらいの強度が求められますか?

適切な強度を選択することで、余分なコストや重量を抑えつつ安全性を確保できます。

異なる合金は、硬度、耐食性、強度などの物理的特性がそれぞれ異なり、これらは化学組成、微細構造、熱処理、合金元素の有無などの要因によって影響を受けます。

下の表で、これらの特性の違いをご覧いただけます。

グレード
硬度(スケール)
UTS(MPa)
PREN
304
70 HRB
505 MPa
18–20
316
80 HRB
550 MPa
23–29
310
85 HRB
620 MPa
18–20
904L
79 HRB (≈≈180 HB)
600 MPa
≈34
2205
≤ 31 HRC(≤293 HB)
≥621 MPa
28–38
3CR12
88 HRB (180 HB)
≥455 MPa
11–13
17-4 PH
44 HRC
1 300 MPa
15–17.5
303
70 HRB
620 MPa
18–20
416
82 HRB
515 MPa
なし
347
94 HRB
690 MPa
18–20
430
85 HRB
483 MPa
なし

7. 初期コストとライフサイクルコストはどのように比較できますか?

ステンレス鋼の費用対効果は、使用環境や用途への適合性によって左右されます。

ステンレス鋼グレード構成と合金元素の効果の例:

グレード クロム(Cr) ニッケル(Ni) 炭素(C) モリブデン(Mo) マンガン(Mn) シリコン(Si) 窒素(N) その他の元素
ステンレス鋼への影響 酸化耐性と硬化性を向上させる 強度、硬度、延性の向上 強度、硬度を向上させる 硬度、高温強度、耐腐食性の向上 強度の向上、脱酸の最小化 強度、硬度、耐酸化性の向上 耐腐食性、耐孔食性、耐隙間腐食性の向上
304 18.0–20.0% 8.0–10.5% ≤0.08 % ≤2.0 % ≤0.75 %
316 16.0–18.0% 10.0–14.0% ≤0.08 % 2.0–3.0% ≤2.0 % ≤0.75 %
310 24.0–26.0% 19.0–22.0% ≤0.25 % ≤2.0 % ≤1.50 %
904L 19.0–23.0% 23.0–28.0% ≤0.02 % 4.0–5.0% ≤2.0 %以下 ≤1.00 % 銅(1.0 ~ 2.0 %)
2205 21.0–23.0% 4.5–6.5% ≤0.03 % 2.5–3.5% ≤2.0 % ≤1.00 % 以下 0.08–0.20%
3CR12 10.5–12.5% ≤1.5 % ≤0.03 % ≤0.6 % ≤1.5 % ≤1.00 % リン (≤0.04 %)、硫黄 (≤0.015 %)
17 - 4 PH 15.0–17.5% 3.0–5.0% ≤0.07 % ≤0.50 % ≤1.0 % ≤0.50 % 銅(3.0 ~ 5.0 %)、ニオブ(≤≤ 0.45 %)
303 17.0–19.0% 8.0–10.0% ≤0.15 % ≤2.0 % ≤1.00 % 硫黄(0.15 ~ 0.35 %)
416 12.0–14.0% ≤1.5 % ≤0.15 % ≤1.25 % ≤1.00 % 硫黄(0.15 ~ 0.35 %)
347 17.0–19.0% 9.0–13.0% ≤0.08 % ≤2.0 % ≤0.75 % ニオブ (≤1.0 %)
430 16.0–18.0% ≤0.12 % ≤1.0 % ≤1.00 %
S30815 24.0–26.0% 19.0–21.0% ≤0.10 % 0.20–0.60% ≤2.0 % ≤1.50 % 0.08–0.20%

正確なグレード識別で選択をよりシンプルに

ハンドヘルド蛍光 X 線分析計 Vanta を用いた鋼種試験の結果

用途に適したステンレス鋼のグレードを選択することは困難ですが、その正確性を維持することは非常に重要です。購入資材を完璧に管理することで、製品の信頼性と性能を強化してコストのかかるミスを防ぎ、品質基準への準拠を可能にします。

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Vladimir Vermus

ビジネススペシャリスト(分析機器担当)

Vladimir Vermus は、モスクワ鉱業大学で学士号を取得後、当社にてハンドヘルド蛍光 X 線分析計(XRF)分野で 10 年間の経験を積んでいます。セールスエンジニアとしてキャリアを開始し、直接販売を 4 年間担当した後、独立国家共同体(CIS)における蛍光 X 線分析計の販売開発管理業務に携わりました。現在は、ヨーロッパ・中東・アフリカ(EMEA)地域における蛍光 X 線分析計のマーケティング、販売、およびアプリケーション分野を専門としています。