現在ラインアップしている探傷装置のタイプ
超音波フェーズドアレイ チュートリアル - 目次
超音波フェーズドアレイ探傷試験は非破壊検査法の一種で、複数素子を持つ探触子を使用して、異なる間隔で複数の方向に同時にパルス発信できることを特長としています。
フェーズドアレイ機器
他のカテゴリーの超音波探傷機器と同様に、超音波フェーズドアレイシステムには多様なモデルが登場しており、機能向上とともにますます複雑化しています。16素子プローブで簡単なセクタースキャンとリニアスキャンが可能なベーシックモデルから、最大256素子プローブのマルチチャンネル機能と高度な解析ソフトウェアが備わった最新システムまで、各種の機器があります。当社のフェーズドアレイ機器の詳細は、こちらをご覧ください。
フェーズドアレイ探触子とは何ですか?
アレイ探触子とは、多数の個別の素子が単一の筐体に収納された探触子のことで、フェージングとは、それらの素子がどのように連続パルス発信するかを意味します。フェーズドアレイシステムは、通常、プログラムパターンで個別にパルス発信可能なたくさんの素子(16~256個が標準的)を収容する、特殊な超音波探触子を基にしています。これらの探触子は、直接接触モードや水浸探傷などで、さまざまな種類のウェッジとともに使用できます。形状は正方形、長方形、円形があり、検査周波数は1~10 MHzが一般的です。以下のセクションでは、フェーズドアレイプローブの詳細について説明します。
フェーズドアレイはどのような働きをしますか?
フェーズドアレイシステムでは、並んだ複数の素子でパルス発信/受信が行われます。素子からのパルス発信によって、複数のビーム要素が合成され、目的の方向に伝搬する単一波面が形成されます。同様に、レシーバー機能によって、複数素子からの入力が単一表示に合成されます。フェージング技術により電子ビーム形成とビームステアリングが可能になるため、1つのプロープから膨大な数の異なる超音波ビームを生成できます。このビームステアリングは、電子スキャンが実行されるように動的にプログラミングできます。
これによって以下のことが可能になります。
- ビーム角、焦点距離、ビームスポットサイズのソフトウェア制御。これらのパラメーターを各検査ポイントで動的スキャンして、試験体の形状に合わせて入射角とSN比を最適化できます。
- 単一で小型の複数素子プローブとウェッジでマルチアングル検査を実施でき、単一固定角のスキャンにも広い角度範囲のスキャンにも対応します。
- こうした機能により、複雑な形状の検査や、試験体の形状によってアクセスが制限される検査への柔軟性が高くなっています。
- 複数素子を多重化することで、単一の探触子位置から静止状態の高速スキャンが可能になります。1つの場所からさまざまな検査角度で複数のスキャンを実行できます。