角度を付けて配置された2つの振動子は、試験体内でV字型のビーム路程を形成します。 この疑似焦点によって集束部分における分解能が向上します。 二振動子型探触子は、2つの振動子が同一ケース内で音響隔離版により仕切られた構成になっています。 一方の振動子が縦波を発信し、もう一方の振動子がレシーバーとして機能します。
特長:
- 表面近傍で優れた分解能
- 高温素材用の遅延材を重ねる必要がない
- 粗い素材や曲面でのカップリングが良好
- 散乱減衰素材などでおこる底面散乱ノイズの削減
- 低周波数一振動子型探触子が持つ浸透能力と、高周波数一振動子型探触子が持つ表面近傍分解能を併せ持つ
- 曲面に合わせた測定が可能
用途:
- 減肉厚さ測定
- 腐食/浸食のモニタリング
- 溶接部オーバーレイおよび金属被覆材の接合/剥離検査
- 鋳造品および鍛造品におけるポロシティ、含有物、割れ、積層構造の検出
- ボルトやその他円柱形対象物における割れの検出
- 高温材質に対応(5.0 MHz以下:800°F(425℃)まで、 7.5 MHzと10 MHz:350°F(175℃)まで)。 表面温度200°F(90°C)~800°F(425°C)の推奨デューティサイクルは、最大10秒接触した後、最短1分間の空冷(ミニチュアチップ二振動子型探触子は除く)。
二振動子型探触子DC1~DC5
パイプラインおよびタンクの完全性に関する腐食モニタリングツールボックス
オリンパスDCシリーズ(DC1~DC5)二振動子型探触子は、パイプラインおよびタンクの検査に対応する完全な腐食モニタリングツールボックスです。 腐食と薄い材料に最適化された探触子は、さまざまなNDT装置や超音波探傷手順と組み合わせて使用できます。
すべてのモデルで一振動子型探触子よりも信号の雑音が少なく、同等モデルよりもリングダウンが少ないため、小さい欠陥の解像、表面近くの検査、2つの欠陥指示の区別に役立ちます。
DC1およびDC2探触子:タンクおよびパイプライン検査向けの丈夫さと多用途性
周波数7.5 MHzでごく小さなルーフ角設計の二振動子型探触子DC1およびDC2では、鉄鋼において0.76~50.8 mm(0.030~2インチ)の範囲で最適な表面近傍分解能が得られます。
主な利点:
- 薄い材料の検査に最適
- 優れた厚さ測定、腐食マッピング、欠陥サイジング
- 標準(DC1)と厚肉(DC2)の筐体を用意
- 頻繁な洗浄にも耐えるよう設計された厚肉の耐摩耗筐体(DC2)
- 外径25.4 mm(1インチ)ほどのパイプにも対応
- 150 °C(300 °F)までの耐熱遅延材により高温のパイプおよびタンクの検査に対応
- 狭いスペースにフィット:薄型(高さ18 mm)で先端直径0.455インチ(DC1)/0.56インチ(DC2)
- つまみやすいローレット加工の筐体
- 樹脂成型されていない汎用的なBNCおよびLEMOコネクター
- 改良されたバネ式のオレドメ機構(BNCコネクターのみ)によりケーブルの損傷を抑制
DC1
DC2
DC3~DC5探触子:薄い材料の検査、腐食モニタリングなどの用途
二振動子型探触子DC3、DC4、DC5を使用すると、検査能力が広がります。 5 MHzの周波数と最適な振動子径/配置によって、薄い材料の腐食をモニタリングできます。 高角設計のDC3モデルは、腐食モニタリングと厚さ測定にとどまらず、薄肉パイプの溶接部検査などの用途にも使用できます(鉄鋼の有効な深さは0~15.2 mm(0~0.6インチ))。 DC4およびDC5モデルの場合、鉄鋼の最適な深さは1.02~38.1 mm(0.040~1.5インチ)です。
DC3~DC5
DC3探触子:パイプ溶接部の高速検査と薄肉材料の検査
周波数5 MHzで高角縦波設計の二振動子型探触子DC3では、極薄材料において0~15.24 mm(0~0.6インチ)の範囲で最適な表面近傍分解能が得られます。
主な利点:
- 高角縦波:腐食モニタリングのほか、薄い材料の検査に対応
- 薄肉パイプ用の高速で信頼性の高いUT溶接部検査ツール
- 他社同等モデルと同様の高速手動溶接部検査が可能
- 増大する電圧に対応する圧電複合材の二振動子
- ピッチキャッチテクノロジーの音響ノイズバリアがクロストークを阻止
- 狭いスペースにフィットし、アクセスしにくい場所(ボイラー管など)を検査可能
- 一体型ウェッジで探触子を小型化
- 各種NDT装置に接続可能なMicrodotコネクター
用途は以下のとおりです。
- 薄肉のパイプライン、ボイラー管など薄い部品の高速手動検査
- 平面の欠陥解析およびサイジング
- 溶接部ルート形状を欠陥指示と区別
- パイプラインのロングシームおよび周溶接部検査
- ボイラー管溶接部
- 製薬用配管
- 熱交換器チューブ
- 原子力産業の薄肉部品
DC4およびDC5探触子:薄い材料の探傷と厚さ測定に最適
周波数5 MHzで、ごく小さな角度の素子と0度の縦波設計の二振動子型探触子DC4およびDC5では、薄い材料において1.02~38.1 mm(0.040~1.5インチ)の範囲で優れた厚さ測定および探傷が可能です。
主な利点:
- 薄い材料に最適な表面近傍分解能
- ごく小さいルーフ角により、探傷および厚さ測定能力が向上
- ウェッジを交換可能なので探触子の寿命が長期化
- ピッチキャッチテクノロジーの音響ノイズバリアがクロストークを阻止
- 各種NDT装置に接続可能なMicrodotコネクター
DC4
DC5
特定の検査基準用に組み合わせた探触子
検査用途に応じて、探触子5種類のいずれか1つ、または組み合わせて使用することで、腐食モニタリングと欠陥サイジングが向上します。 現場の検査はさまざまに変わるため、すべてを組み合わせた厚さ測定範囲0~50.8 mm(0~2インチ)の完全なセット、さらにパイプ溶接部検査ツール(DC3モデル)がそろっていれば、大きな効果が得られます。 別々に購入することも、さらに便利にDC1~DC5の探触子ラインアップをキットでまとめて購入することもできます。 購入可能なキットオプションについては、下の図と製品型番をご覧ください。
EPOCH™ 650または6LT探傷器、あるいは38DL PLUS™厚さ計*と併せて使用することで、公称肉厚、孔食、欠陥タイプ/サイズの評価に役立つ、正確で効率的な腐食マッピングが可能になります。
*ルーフ角があるため、DC1、DC2、DC4、DC5には手動のV‑パス補正が必要な場合があります。
フラッシュケースニ振動子型
- メタルウエアリングにより長期間使用可能
- ウエアインジケーターが探触子表面の取替え時期をお知らせ
- ローレット加工の303ステンレス鋼筐体
- 交換可能なケーブル設計(オレドメ機構付き特殊デュアルケーブル)
フラッシュケースニ振動子型ケーブル
ケーブル 型番 |
対応コネクタースタイル |
BCMD-316-5F | Dual BNC - Microdot® |
L1CMD-316-5F | Dual Large Lemo 1 - Microdot |
LCMD-316-5F | Dual Small Lemo 00 - Microdot |
コンポジットタイプフラッシュケース二振動子型探触子
周波数 | 公称 振動子径 |
製品型番 | |
MHz | インチ | mm | |
2.25 | 0.50 | 13 | CHC706-RM |
Extended Range(エクステンドレンジ)二振動子型
エクステンドレンジ二振動子型探触子
- 浅いルーフアングルにより、鋼内の深い部分の傷、底面、その他からの反射を感知(0.75インチ(19 mm)以上)
- 遅延材が使用できない場合の高温材質の測定が可能
- 耐久性に優れた柔軟なPottedケーブル(6フィート(1.8 m)、BNCコネクター付き)
フィンガーチップおよびエクステンドレンジ二振動子型探触子
探触子外形寸法(インチ)
公称振動子径 | (A) | (B) | (C) |
1.00* | 1.25 | 0.75 | 1.00 |
0.75 | 1.00 | 0.75 | 0.75 |
0.50 | 0.70 | 0.75 | 0.50 |
0.50* | 0.70 | 0.63 | 0.61 |
0.375 | 0.53 | 0.62 | 0.375 |
0.25 | 0.35 | 0.54 | 0.25 |
ミニチュアチップ二振動子型
ミニチュアチップ二振動子型探触子
- 曲面とのカップリングが良好
- スリムな設計でアクセスが限られた箇所での使用にも対応
- 122°F(50℃)までの高温素材に使用可能
周波数 | 先端 径 |
公称 振動子径 |
探触子 製品型番 |
||
MHz | インチ | mm | インチ | mm | |
5.0 | 0.20 | 5 | 0.15 | 3.8 | MTD705 |
ミニチュアチップ二振動子ケーブル
- あらゆる探傷器に対応するケーブル
ケーブル型番 | 対応コネクタースタイル |
BCLPD-78-5 | Dual BNC - Lepra/Con |
L1CLPD-78-5 | Dual Large Lemo 1 - Lepra/Con |
LCLPD-78-5 | Dual Small Lemo 00 - Lepra/Con |