アプリケーションノート
ビデオスコープによる捜索救難(SAR)活動のサポート
背景
生存者の救出に重要な役割を果たすことができるため、捜索隊や救助隊は多くの場合、ビデオスコープを標準装備として携帯しています。以下のセクションでは、ビデオスコープのさまざまな特長がSAR活動においてどのように有効であるかを説明します。

SARと災害救助ビデオスコープの必要条件
自然災害は電力、上水道、およびその他の基幹的な公共設備を崩壊させ、道路、橋、およびトンネルを通行不能にし、救助活動に重大な影響を及ぼす場合があります。救助隊は、多くの装備を背負い、雨や消火のために吹き付けられる水しぶきや、崩壊した家屋から生じる粉じんなどの過酷な環境での活動を強いられることがあります。このような過酷な条件下におかれる救助隊は、携帯可能で環境条件に耐えうるビデオスコープを必要とします。災害地は危険なため、通常、一次救助活動は必要とされる最小限の人数で編成された救助隊によって行われます。状況を正確に判断して迅速な決定を行うには、現場の救助隊がビデオスコープで撮影した画像を、現場から離れた場所にいるサポートチームと共有できることが重要です。
IPLEXシリーズのビデオスコープの利点
オリンパスIPLEXシリーズのビデオスコープは、小型で持ち運びができ、SAR活動に必要な性能を備え、救助隊の要求を満たすことから、救助活動を行う探索救助チームに使用されています。
過酷な条件でも信頼できる

小型軽量で高い機動性

暗い大空間を照らす高輝度照明
SAR活動は、地下、屋内、夜間の屋外、あるいはその他の視認性の低い条件下で行われることがあります。IPLEX G Liteには、広くて暗い空間内にいる被災者の捜索に必要な明るさを提供する、強力なLED光源が搭載されています。しかし、このような強力な光源を使用すると、バッテリーの消耗が早まることがあります。探索救助活動は、数時間、あるいは数日間続くことさえあるため、バッテリーの寿命の長さは極めて重要となります。IPLEX G Liteは周囲環境の明るさに応じて光の強さを自動的に調節して電力消費を減らすことができるため、捜索隊や救助隊をこれまで以上に長時間サポートします。
明るく鮮明な画像が得られる広角レンズ
IPLEX G Liteビデオスコープの挿入部外径は6 mmしかありませんが、オリンパスが約100年にわたるカメラと顕微鏡の製造を通して蓄積してきた専門知識を活用して設計した、高品質の広角レンズを装備しています。

無線ライブストリーミング
IPLEX G Liteビデオスコープに無線アダプタを接続すると、現場で取得したリアルタイム画像を、離れた場所にある携帯デバイス、例えばタブレットやスマートフォンなどと共有することができます。サポートチームは現場の救助チームと同時に共有画像を見て、状況を判断することができます。現場のチームと現場から離れた場所にいるチームが生存者の発見状況を同時に観察し、最善の行動方針の決定に必要な情報を容易に交換することができます。
要約
IPLEX G Liteビデオスコープは、小型軽量、高い携帯性、過酷な環境条件に対する耐久性などの特長から、災害激甚地における活動や探索救助活動に有効なツールといえます。暗い大空間の中でも明るく鮮明な画像が得られる能力は、救助隊の活動を助け、生存者の発見をアシストします。
関連製品
IPLEX G Lite / IPLEX G Lite-W
小型軽量ボディに最先端の機能を搭載した、さまざまな現場に対応できる手のひらサイズのビデオスコープ。明るく見やすい画像と高い記録性を兼ね備え、簡単操作で効率的な検査作業を実現します。
風力タービン検査向けに開発されたIPLEX G Lite-Wビデオスコープは、優れた携帯性かつ高画質で、風力タービンのナセルのような狭いスペースでの検査も効率的に行えます。