金(Au)の鉱物探査と鉱体ベクトル化に役立つハンドヘルド蛍光X線分析計とAuパスファインダー元素
オリンパスのハンドヘルド蛍光X線(XRF)分析計は、土壌や岩石、鉱石の多元素分析に必要な高品位の地質科学データをリアルタイムで提供します。 XRF技術における近年の大きな進歩により、測定可能な元素の種類と検出限界が大幅に改善され、分析時間も著しく短縮されました。
は、Au探査、Au鉱山内の調査、Au鉱山付属ラボでの分析、精製Au製品に関係した試料など、広範囲にわたって簡単かつ迅速に測定します。
利点
- 土壌、ドリル掘削物、ドリルコア内のパスファインダー元素を蛍光X線で分析することにより、Au鉱化の可能性を短時間で判定可能
- 蛍光X線によるスクリーニングで、試料の優先順位の選別、分析予算の効果的な使用、ドリルターゲットの正確な確認が可能
- 構造的特徴の蛍光X線マッピングと鉱化帯や変質帯の同定により、鉱脈の把握、モデリング、ベクトル化が改善され、希釈率が低下し、Au回収率が向上
- 岩石化学分析に蛍光X線を使用することにより、経済的かつ迅速な岩型類別が可能
Au鉱床に付随して観測される地質化学的特徴
出典:Reflex Geochemistry
パスファインダー元素と変成地質化学
多くのAu鉱床は、それぞれに独自の地質化学的特徴を備えています(上の表参照)。 この地質化学的特徴を検出する蛍光X線(XRF)分析計により、地質学者は対象とする地質系をより深く理解することができます。 Auの標準的なパスファインダー元素にはAs、Cu、Pb、Zn、Sb、Bi、AgとWが含まれます。
Auの標準的なパスファインダー元素の蛍光X線検出限界(LOD)典型値(VANTA VMR Geochemモデル使用)
*試験時間: ビームあたり120秒、干渉のないSiO2マトリックス。より低い検出限界(LOD)についての詳細は、オリンパスのLOD資料を参照してください。
金検出のための蛍光X線分析計
ハンドヘルド蛍光X線分析計は、地質試料中の低レベルAu(低ppm~ppbレベル)の直接測定に適さないとこれまで考えられていました。 Au分析用として一般的に認められているのは、ラボで行う試金法(fire assay)です。 Auの特性X線(L線)は蛍光X線エネルギースペクトルの非常に混雑した領域に現れます。 この領域は他の元素(例えばAs、Zn、W、Se)からの干渉を受けるため、Auが存在しているという誤判定になる可能性があります。
次に示すような環境下であれば、蛍光X線でAuを直接測定することも可能です。高品位(> 5 ppm)石英鉱脈中(干渉が比較的少ない)、または精製後のAu製品に含まれる (Auの濃度が非常に高い)場合など。
試金法の代替え、また補足用として蛍光X線を使用する金鉱山ラボの数が増加しつつあります。 詳しくはオリンパスアプリケーションノート“金(Au)鉱山ラボでの携帯型XRFの応用”をご覧ください。 金鉱山では、活性炭内のAuの測定にもオリンパスのハンドヘルド蛍光X線分析計を使用しています。 詳しくはオリンパスアプリケーションノート「活性炭内の金の測定向けハンドヘルド蛍光X線分析計」をご覧ください。
画像出典:Arne et al. (2014) – The use of property-scale pXRF data in gold exploration – advantages and limitations, Geochemistry: Exploration, Environment, Analysis.
Contour plots of As, Cu, and Pb in surface soil using field XRF compared with ICP analysis from Au exploration project in Canada.
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