医薬品工場で目視検査によってきれいなパイプ溶接部を維持する3つの方法

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Hafees Fraisada

2021年 4月 8日

溶接部の品質管理と品質保証(QA/QC)は、製薬施設において重要です。 プロセス配管では、アクセスできない場所に数多くの溶接部や継ぎ手があり、困難な作業が伴うことがあります。 こうした溶接部の1か所でも欠陥があれば、腐食、漏れ、または汚染が発生しかねません。

医薬品生産ラインの汚染防止は、医薬品の製造管理および品質管理の基準(GMP)が定めている主な目的の1つです。 低品質または誤った元素の混入が消費者に届かないようにするため、GMPの準拠は製薬業界にとって必須条件です。 GMP要件には、詳細な文書によってすべて裏付けられたQC/QA検査と監査に支えられる、厳密な機器の保守点検とクリーニング手順の実施が含まれます。

工業用内視鏡検査:欠かせないGMPツール

ステンレス鋼プロセス配管の溶接部は、自動加工でも手動加工でも検査が難しい可能性があります。 溶接部の内部欠陥や母材上の欠陥の識別には、超音波探傷やX線探傷などの検査法を使用するのが一般的です。 しかし、溶接や熱処理加工後は、溶接部の内径(ID)や溶接部ルートを検査員が目視で調べる必要があります。その際、アクセスが制限されるため、工業用内視鏡検査は有望な非破壊ソリューションとなります。

硬性鏡ビデオスコープなどの工業用内視鏡検査(RVI)ツールは、すべての配管および溶接部が目的に沿い、溶接部コードと業界標準の準拠を確保するのに役立ちます。 以降の記事で、製薬工場でRVIを使用する最適なタイミングを習得するとともに、ステンレス鋼管溶接部の目視検査の効率を上げるビデオスコープの機能を見つけてください。

ビデオスコープをプロセス配管検査に組み込む3つの方法

1. 機器の初期設置、修理、または拡張の後

初期運用前、プラント拡張中、または修理中に、QA検査員はRVI機器を使用して、検証が必要なすべての溶接部分を検査しします。

プロセス配管の溶接部検査におけるIPLEX™ビデオスコープの活用方法

複雑なプロセス配管網の溶接部を検査するために、適切なRVI機器を入手することが最初の課題です。 当社のビデオスコープには、以下のように役立つ機能があります。

ステンレス鋼管内溶接部の溶け込み不良を示す、オリンパスIPLEXビデオスコープの画像

ルートの溶け込み不良を示すステンレス鋼管内溶接部のビデオスコープ検査

220度広角レンズ先端アダプターを使用してIPLEXビデオスコープで撮影した、製薬工場のステンレス鋼管内溶接部のパノラマ画像

120度広角レンズ先端アダプターを使用してIPLEXビデオスコープで撮影した、製薬工場のステンレス鋼管内溶接部の部分画像

220度広角レンズ光学アダプター(左)および120度直視光学アダプター(右)を使用したビデオスコープによる溶接部検査

220度アダプターでは、溶接部の正面と背面どちらの状態も、完全に観察できます。

2. バッチ間のクリーニング後と製品間の切り替え後

プロセス配管内の溶接部と表面は、内部を通過する製品の流れを阻害しないことが重要です。 製品が詰まり出すと、後で通過する製品が台無しになったり汚染されたりする可能性があります。 残留物の蓄積が発生する主な区域は、パイプ内の溶接部、エルボー、および継ぎ手です。

保守点検担当者がバッチ間または製品切り替え時に機器をクリーニングした後、これらのアクセスできない困難な区域の二次汚染を防ぐため、RVIで残留物をチェックすることが推奨されています。 検査員はビデオスコープまたは硬性鏡を使用して、製品の流れと接触する領域にあるすべての溶接部の清潔さを確認できます。 米国の食品医薬品局(FDA)など、 地域の規制当局の多くは、このような検査を推奨しています。

残留物蓄積の検査が楽になる方法

溶接部、エルボー、継ぎ手の周辺にある残留物を検査する場合、ビデオスコープ・硬性鏡の二者が持つ機能で作業が楽になります。

製薬工場のステンレス鋼プロセス配管内に、前のバッチの残留物が蓄積されているのを映した、ビデオスコープまたは硬性鏡検査の画像

ビデオスコープの画面に映るパイプ内の残留物

オリンパスIPLEXビデオスコープシリーズのタッチスクリーンを使用して、反応性の高いスコープ先端湾曲機構TrueFeelを操作する溶接部検査員
IPLEX GX/GTビデオスコープのタッチスクリーンコントロールを使用する、反応性の高い先端湾曲機構TrueFeel

IPLEXビデオスコープのジョイスティックは軽い動きでコントロールできるため、長時間作業するユーザーの疲労が最小限になります
スコープ先端の湾曲機構は軽い動きのジョイスティックでもコントロールできます

3. 定期検査:腐食と構造的完全性

製薬工場は腐食など構造的完全性の問題を免れません。 配管を通過するプロセス用水は定期的にモニタリングして、不純物の含有をチェックします。 こうした汚染の原因としては、孔食周辺に生息する微生物が、製造機器内の生物由来の残留物で増殖することが挙げられます。

プロセス配管の衛生上の健全性を確保するには、定期的な予防保守の一環として、すべての溶接部とアクセスできない場所をビデオスコープまたは硬性鏡で検査するのがよい対処法です。

紫外線が微生物を照らし出す

プロセス配管、容器、タンク内の微生物を検出する場合、UV光源オプションのある硬性鏡またはビデオスコープが便利です。

製薬工場におけるビデオスコープまたは硬性鏡検査のチェックリスト

ステンレス鋼管やその他のプロセス配管を検査する際のヒントを以下にまとめます。

製薬タンクといくつかのステンレス鋼プロセス配管がある医薬品工場

次回のブログでは、InHelp検査支援ソフトウェアを使用して、コードに準拠した検査の文書化が楽になる方法について、詳しくご紹介します。 どうぞご期待ください。

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Hafees Fraisada

Sales Manager, Indirect Sales

Hafees Fraisada is a manager of indirect sales in the Middle East, Turkey, and Africa (META) region at Evident. Prior to his current role, he was a member of Evident's remote visual inspection team based in Hamburg, Germany. Hafees has more than 15 years’ experience in the medical and industrial industries, a background in science, and a master’s degree in international business administration.