腐食厚さ測定のデータ管理を簡単にする3つの方法
検査サービス会社は通常、パイプ、容器、タンク、および石油・ガス産業で使用されるその他の機器に対して非破壊検査(NDT)を実施しています。 規模の大きい作業では、チーム全体の検査員それぞれに、設備のさまざまな部分の厚さ測定記録に責任を負うよう求めることがあります。 この規模の作業を管理するのは複雑かもしれませんが、そうとも限りません。
従来のデータ収集方法
多くの場合、管理者やデータ分析者が作業を各検査員に割り当てます。 通常、データの収集方法は以下の2つのいずれかです。
データロガー付きの デジタル超音波 厚さ計: 検査が必要な資産と場所に対応する厚さ測定位置(TML)値が含まれる、検査サーベイファイルが作成されます。 1日の終わりに、検査員は完了したサーベイファイルをUSBまたはRS232接続を使用して転送します。 ここから、データは手動で資産管理ソフトウェアにインポートされます。
検査結果を手で書き留める: 各検査員に測定が必要な資産に対応する検査場所のシートが配布され、その用紙に厚さ測定結果を手で記録します。 場合によっては検査員がチームを組み、1人が厚さ測定を行って、他のメンバーが記録します。 1日の終わりに、検査員が用紙をマネージャーまたはデータ分析者に手渡すと、彼らがその値を表計算ソフトウェアまたは資産管理ソフトウェアに入力して、データを分析します。 場合によっては、検査員がタブレットまたはPCを現場に持参し、厚さ測定値を資産管理プログラムに手動で入力します。
こうしたプロセスは時間が掛かり、人的ミスによって不正確なデータとなる可能性があるにもかかわらず、デジタル超音波厚さ計の出現以来、ほとんど変わっていません。 そこで、より良い方法の登場です。
クラウドの使用がプロセスを変える
38-Linkワイヤレスアダプターは、すべての38DL PLUS超音波 厚さ計をOlympus Scientific Cloud(OSC)に接続できます。これにより、全体の効率性、データの完全性、リソースの割り当て、および大規模な検査作業のデータの可視性を改善するためのツールが管理者の手に入ります。 無料のOSCアカウントの設定と38DL PLUS厚さ計の接続は簡単です。 まず、OSC Webサイトにアクセスして、無料のアカウントを得るために登録します。 次に、38-Linkアダプターを厚さ計の背部に装着し、ワイヤレスネットワークに接続します。 ひとたびOSCに接続すれば、マネージャーは便利なデータ管理ツールがそろっているのを目にすることでしょう。
38-Linkアダプターは、38DL PLUS厚さ計の背部に装着します。
Olympus Scientific Cloudによる4つの作業管理改善方法
- サーベイファイルを現場の複数の厚さ計に転送する
OSCでは、プロジェクトを作成し、個々のタスクを含む複数のジョブに分割することができます。 OSC内でサーベイファイルを作成し、それをタスクに割り当てて、現場にある装置にワイヤレスに転送できます。 また、ジョブの進捗のモニタリング、大きな検査ジョブの整理、個々の検査員へのタスクの割り当て、さらにはクラウド内でデータの追跡も可能です。 ワイヤレスネットワークを利用できない場合は、携帯電話をホットスポットとして使用して、38-Linkアダプターをクラウドに接続し、データをアップロードできます。
- データの信頼性の向上
OSCには、管理者向けのワークフロー管理ソリューションが用意されています。 38-Linkアダプターとワイヤレス接続を使用すると、現場にいる検査員にサーベイファイルをリモートから転送できます。 検査員は測定値を厚さ計に保存し、現場にいながら装置からクラウドにデータを直接アップロードできます。 これは効率性の改善だけでなく、転記ミスをなくす働きもあり、データの信頼性が大幅に向上します。
3. データの可視性の向上
通常、現場のジョブマネージャーは、検査員が書きいれた用紙を提出するかファイルをPCにダウンロードするまで、彼らが収集したデータをほとんど見ることができません。 測定値が誤って入力されると、データ分析者がそれに気付き、検査員に現場に戻って測定を確認するよう指示するまでに1日を費やす恐れがあります。 検査対象施設を所有するオペレーターにとって、このような事態は、潜在的な問題について報告を受けるまで待たなければならないことを意味します。
38-Linkアダプターを使えば、検査員が無線LAN接続のない環境にいても、携帯電話のホットスポットを利用して厚さ計をOSCに接続し、データを転送することができます。 こうすると管理者やデータ分析者にデータをすぐに送れるため、データの確認や重要な判断を迅速に行えるようになります。
4. 効率的なリソースの割り当て
多くの場合、検査員にはそれぞれの作業を完了するために一定時間が割り当てられます。 現状では、マネージャーは誰が作業を早く完了させていて追加作業が可能なのかをほとんど把握していません。
OSCを使うことにより、マネージャーは各検査員の作業を追跡し、割り当てられたタスクを完了した検査員の装置に、新しいサーベイファイルを転送できます。 また、彼らが検査ファイルをアップロードすると、すぐにOSCのダッシュボード画面からアクセスすることができます。 この機能によって、現場から検査員を呼び出すことなく、リモートからタスクを迅速に行うことができるため、ダウンタイムが最短になり、リソースを有効に利用できるようになります。