ビデオスコープは数多くの業界で役立つ検査ツールです。航空、発電、風力発電の分野でよく使用される一方で、機能的なデータセンターの保守点検でも有益な役割を果たします。

データセンターでは、システムがオーバーヒートしないようにサーバーの冷却状態を維持する必要があります。データセンターでオーバーヒートが発生すると、システムの異常や障害につながりかねません。システム障害によるダウンタイムやデータと機器の損失は、重要な事業活動に大きな影響を及ぼす可能性があります。

データセンターの日常的な保守点検では、ミッションクリティカルなサーバーの冷却状態を維持する、暖房、換気、および空調（HVAC）システムの検査にビデオスコープを使用します。適切なビデオスコープツールがあれば、技術者は応力割れ、孔食、堆積物などの損傷を検出できます。

冷却水を運ぶ配管のビデオスコープ検査画像

データセンターの保守点検に適したビデオスコープ検査ツールを選ぶためのヒント

データセンターの保守点検に適したビデオスコープ検査ツールを選択するには、いくつかのパラメーターを考慮する必要があります。役に立つヒントをいくつかご紹介します。

1. 必要な挿入部の長さを決める。

検査するHVACシステムや冷却装置システムの部分に基づいて、必要なスコープ長を選択します。当社のスコープは、各種のスコープ長オプションとともに、直径オプションとして4 mm（0.16インチ）、6 mm（0.23インチ）、8.5 mm（0.33インチ）を用意しています。使用可能なスコープ長の範囲は2～30 m（6.6～98.4 ft）で、各種のパイプ、チューブの検査に対応します。

工業用ビデオスコープの挿入部には各種の直径と長さがあります

2. 画像が明るく鮮明なビデオスコープを使用する。

データセンターのHVAC検査で重要な別の側面として、明るく鮮明な画像取得があります。チューブやパイプの内部損傷を探すときには、最適な明るさが必要です。

画像が明るすぎると反射量が多くなり、不鮮明な画像になります。逆に輝度が少なすぎると暗い画像になり、欠陥を見逃す可能性が高くなります。当社のビデオスコープに搭載のPulsarPic™画像プロセッサーは、輝度を調整して最適なバランスに保ちます。

工業用ビデオスコープを使用して取得した、腐食性のある冷却装置チューブの明るく鮮明な画像

3. 視界が最適になる先端アダプターを選択する。

工業用内視鏡検査のニーズを特定し、検査の制約事項を把握します。その後で、視界が最高の状態になる先端アダプターを選択します。

当社のビデオスコープには、先端アダプターのオプションが複数あります。先端アダプターには、大きく分けて直視と側視という2つのカテゴリーがあります。この2つのカテゴリーでは、2つの仕様によって先端部の機能が決まります。

1つ目は視野（FOV）です。簡単に言うと、FOVは画角のことで、一度に見ることができる対象物の度合いを意味します。例えば、当社の先端アダプターで得られる最大FOVは220度です。パイプ検査によく用いられるこの広角先端アダプターでは、画角が大きいため、パイプの正面と側面を同時に見ることができます。

2つ目の仕様は被写界深度（DOF）です。つまり、DOFによってスコープのピントが合う距離の範囲が決まります。

各種の先端アダプターで視界を最適化

4. 届きにくい場所へのアクセスが容易になる最適な挿入部を使用する。

挿入部の設計が優れていれば、HVACシステムや冷却装置システム内の届きにくい奥深くにあるターゲットでも、容易に検査できます。

当社の挿入部に取り入れられているTapered Flex™設計は、先端付近は柔軟な作りで、システム基部に向かって剛性が増しています。これによって検査プロセスが容易になるとともに効率化されます。

挿入部を挿入し始めると、スコープは柔軟性を発揮して、エルボー部や狭い空間内を上手に切り抜けます。かなり長いスコープを使用すると、終端部に付加された剛性によって、スコープを楽に押し出せます。

データセンターの保守点検にお勧めのビデオスコープアクセサリー

データセンターのHVACシステムや冷却装置システム内の届きにくい場所では、スコープに実用的なアクセサリーを使用することも役立ちます。お勧めのビデオスコープアクセサリーには、以下のものがあります。

Flex-and-Stayチューブ： 自由に方向づけられる、しなやかで丈夫なチューブ。あらゆる形に簡単に曲げられ、内視鏡検査の対象物に到達できます。

センタリング装置： 挿入部をパイプやチューブ内部の中心に保持します。直径4 mm（0.16インチ）、6 mm（0.23インチ）、および8.5 mm（0.33インチ）のスコープに使用可能です。

フレキシブルガイドチューブ： 挿入部の剛性を高めて、スコープを深い部分まで挿入しやすくします。7.5 m（24.6 ft）および10 m（32.8 ft）スコープに使用可能です。

ガイドヘッド： スコープ先端にガイドヘッドを装着するとパイプの接合部に通しやすくなり、パイプ内面との摩擦が軽減されます。20 m（65.6 ft）および30 m（98.4 ft）スコープに使用可能です。

プッシュロッドアダプター： プッシュロッドをスコープに取り付けます。プッシュロッドと専用アダプターを組み合わせると、スコープがエルボー部を通ってパイプの奥深くまで到達できます。20 m（65.6 ft）および30 m（98.4 ft）スコープに使用可能です。

ビデオスコープアクセサリー（左から右）：Flex-and-Stayチューブ、センタリング装置、フレキシブルガイドチューブ、ガイドヘッド、プッシュロッドアダプター。

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