オフラインERW溶接管探傷システム

非破壊検査ソリューション

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オフラインERW溶接管探傷システムでは、超音波フェーズドアレイ技術(PA)を使い、電気抵抗溶接(ERW)による電縫管の溶接線と熱影響部(HAZ)を探傷します。溶接部の片側にフェーズドアレイプローブを設置することにより、 安定した振幅を維持しつつ、広範囲の熱影響部を検査することができます

ERW管生産ラインにおける溶接部と熱影響部の厳密な品質管理

高品質なオリンパスPAプローブが完全自動のオフラインERW探傷システムに組み込まれており、パイプ製造に関する国際規格のほか、溶接部探傷の厳密な要件を満たします。 自動システムは製造工程のどこにでも設置でき、柔軟な構成オプションによってメーカーのニーズに沿ったソリューションとなります。 このシステムは、60.3 mm径~660.4 mm径ERW管の溶接シームの内外表面のほか、熱影響部(HAZ)を検査します。 専用溶接部探傷システムを使用して検出される典型的な溶接部欠陥には、以下があります。

  • 長手方向の亀裂
  • ドリル貫通孔(TDH)
  • 熱影響部のラミネーション欠陥(溶接部の両側それぞれ最大25 mm)

オフラインERW自動ターンキーソリューションの主な機能

  • フェーズドアレイプローブのスキャンによって、安定した振幅を維持しつつ、溶接部と熱影響部の全域を検査
  • 自動溶接部トラッキングとライブプローブ配置(特定の構成の場合)
  • 探傷前に自動プローブ配置により溶接線に中央合わせ
  • オペレーターのスキルへの依存を最小化
  • 事前設定のプローブホルダーと保存された設定ファイルを使用した簡単で迅速な切り替え
  • 溶接部探傷をフルボディ探傷と組み合わせて、1つのシステムですべてのニーズに対応

構成オプション

ガントリーシステム専用溶接部検査

ガントリーシステムに専用の溶接部検査システムを取り付けられるので、指定エリア内でパイプの切断部から全長までの探傷が可能です。 ガントリー方式は端部の探傷に対して高い制御能力があるため、未検査域を最低限に抑えることができます。 給水ウェッジがサーボモーター駆動軸に搭載され、正確な配置、自動校正、自動プローブ配置、自動溶接部トラッキング(特定の構成の場合)が実現します。

オフラインERW探傷ヘッド

ガントリーに取り付けられたオフラインERW探傷ヘッド

溶接部およびフルボディ探傷の組み合わせ

専用の溶接部およびフルボディオフラインERWシステムは、両方の探傷方式を同じガントリーに組み合わせたものです。

2種類の構成が可能です。1つは、生産性を最大にするためにガントリーの両側に溶接部探傷とフルボディ探傷をそれぞれ配置した構成、もう1つは、両側構成に比べて設置面積の小さい片側構成です。

探傷要件に合わせて複数のモードを使用できます。例えば、フルボディ探傷ではすべてのモード(長手方向、円周方向、ラミネーション、壁厚さ測定)を使用し、ラインパイプのパイプ端探傷ではラミネーション探傷モードのみを使用します。 専用の溶接部探傷は、常に最も厳しい制御の下で行われます。

フルボディ探傷と組み合わせた場合、自動溶接部探傷や溶接線トラッキングなどのオプションを選択して、探傷時間の最適化とトレーサビリティーを実現できます。

溶接部配置に使用される壁厚さマッピング

パイプ端部ラミネーション探傷および溶接部探傷用のオフラインERWシステム

専用溶接部探傷:コンベヤー供給システム

カットされたERW管の探傷には、パススルー構成を使用できます。 このオフラインERWシステムは、インラインERWシステム(非常に長いパイプ用)と同じ機器プラットフォームとプローブを使用して、供給コンベヤーに取り付けることができます。 センサーとエンコーダーホイールが一体化した特殊な自動シーケンスが、高い信頼性と再現性でパイプをすばやく検査します。

溶接部トラッキング信号によって探傷プローブが自動的に動いて、探傷時に適切な位置に配置され、トレーサビリティーのために溶接位置が記録されます。

溶接線の変動が限られているため自動トラッキング機能が必要ない場合は、低コストオプションである固定溶接部プロファイリングプローブを使用して、データ収集が検査対象域から逸脱した場合にオペレーターに警告するようにします。 サーボモーター駆動軸がなくても、PAプローブは安定した振幅を維持しつつ、溶接部と熱影響部の全域を検査できます。

カットされたパイプに使用されるフェーズドアレイオフラインERW探傷システム

自動校正

  1. 自動校正ベンチには、次の2つの目的があります。
  2. オペレーターが中断されることなくシステムの校正をすばやく効率的に実行可能。
  3. コンベヤーラインの基準パイプを呼び戻すことなく、校正のイン/アウトシーケンスをライン速度で実行。

ソフトウェアとデータ収集装置

フェーズドアレイデータ収集装置

QuickScan™ PA 32:256モジュールはIP55規格に準拠しており、産業環境に容易に統合できるよう設計されています。

容易な設定

QuickView™ソフトウェアは、システムのセットアップ、データの取得と管理を容易にします。

ソフトウェアのウィザードを使用することにより、被検査材のサイズに合わせて簡単に設定を作成できます。 棒鋼の直径ごとに探傷構成と校正パラメーターを保存し、簡単に呼び出すことができます。 最終的な検査結果は合成されて表示され、合格および不合格の鋼管を明確に比べることができます。

  • 事前設定した検査設定にすばやくアクセス
  • ユーザーアクセスを制限し、オペレーターのエラーを抑制
  • 校正情報と検査情報を保存することにより、トレーサビリティーを確保
  • システムを検査アプリケーションに統合でき、最小限のユーザー操作で操作モードを簡易化

仕様

システム性能

標準製品レンジ

Rowspan=4

直径
60.3 mm〜660.4 mm (特定の構成ではより大きな直径が可能)
壁厚さ
3 mm 〜 16 mm (ご要望に応じて、より厚い壁の測定も可能)
速度
システム構成と製品サイズに応じて600mm /秒から1500mm /秒
検査範囲

システム構成に応じて、次のカバレッジが適用されます。

  • 亀裂/ TDHの100%溶接体積
  • ラミネーション検出用の溶接の両側で最大25mm
  • 全身の縦方向、横方向のノッチ、積層欠陥、およびWT測定
  • 端部のみのラミネート欠陥検出
データ表現
リアルタイム探傷結果
C-スキャン、A-スキャン、B-スキャン、ストリップチャートビュー、アラーム
探傷モード
通常探傷モード
縦方向、横方向、ラミネーション、および壁の厚さの測定
パイプ温度
最大60°C(140°F)

典型的なリファレンス欠陥の検出能力

Rowspan=2

再現性

長手方向ノッチ:<2 dB

横方向のノッチ(全身検査のみ:<3 dB

3.2 mm TDH:<3 dB

1.6 mm TDH:<4 dB

6.35 mm平底穴(FBH):<3 dB

3.2 mm FBH:<4 dB

1.6 mm FBH:<5 dB

0.8 mm FBH:<5 dB

規格
ISO、API

レポートおよびデータストレージ

Rowspan=2

レポートタイプ
探傷、校正、および校正チェックに関するユーザー設定可能なレポート
記録
リアルタイムデータベース検査データストレージ

構成オプション

アプリケーションノート

ビデオ

ソリューション