アプリケーションノート
横方向に焦点設定したアレイによる、欠陥長さサイジング能力の向上
概要
CCEVフェーズドアレイプローブの構造
フェーズドアレイプローブでは、パルスと素子の受信感度をコントロールすることによって、電子的に前方軸または能動軸に焦点を合わせることができます。 複雑なアレイ構成(デュアル・マトリックス・アレイなど)を持たないプローブの場合、受動軸はアパーチャーと素子の大きさ、およびプローブ周波数で決まる自然なビームの広がりのままで使用されてきました。
CCEVは、フェーズドアレイプローブの仰角軸、横軸または受動軸に曲率を与えることによって作り出されたプローブです。適正な曲率を決定するために、パイプライン建設の溶接部や小径パイプと管の溶接部の代表的な直径と肉厚を想定して実験室で試行を繰り返し、ビームのシミュレーションを行います。水浸プローブでレンズを使用するのと同様に、曲率を与えることによりビームスポットの幅が小さくなりビームの拡散効果が抑えられるので、長さサイジング能力が向上します。この技術は主に、PipeWIZARDおよびCOBRAスキャニングシステムに適用されますが、この方法は他の大部分のリニアアレイプローブ設計にも適用可能なので、他の多くの用途にも適用することができます。内部統合レンズでは、標準的な平面ウエッジやフラットな外ケースでも使用することができます。
平面状、および内部焦点アレイと対応するビームプロット例(ビーム幅が著しく縮小)
3mm幅反射器(1Dリニアフラットアレイ実装)とCCEV曲面型プローブにPipeWIZARDシステムを適用した結果
人為的にノッチ(6.9mm x 0.5mm OD)を作り込んだパイプ(直径2.75インチ/70mm)の検査結果。CCEVプローブの使用により、データがより明瞭になり、サイジング能力が向上。データの取得にはCOBRAスキャナーを使用(-6dB減衰法を適用してサイジング)
小径パイプ/チューブ用COBRAセミオートスキャナー、およびパイプライン建設用PipeWIZARD自動システム。CCEVプローブはこの2つのシステムでの使用のために最適化
結論
横方向の焦点を絞り込んだアレイを使用することにより、小径パイプやパイプライン建設システムにおける欠陥の長さサイジング能力が大幅に向上しました。この技術は、大部分の1Dリニアアレイプローブにも応用が可能なため、多くの超音波フェーズドアレイ検査での長さサイジング能力向上に寄与すると考えられます。標準CCEVアレイの一覧が弊社フェーズドアレイプローブのカタログに掲載されています。
カスタムCCEVプローブを適用する可能性やご不明については、SCE.PM@olympusndt.com までお問い合わせください。または、詳しい内容を online custom probe form にご記入の上、送信いただくか、お近くのオリンパスまでお問い合わせください。
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