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フェーズドアレイによる重機のギアの検査

yellow excavator

採掘などの鉱業では、重機類を極めて厳しい条件下で使用します。これらの重機類の機能を左右する部品の1つがギアであり、これが装置の動作や移動を可能にします。シャベル/ドラグライン、トラック、積込機などはもちろんとして、あらゆるタイプの処理装置(破砕機やコンベア搬送システムなど)においても、何種類ものギアが多数使用されています。フェーズドアレイ超音波探傷器は、このような検査に多くの利点をもたらします。次にいくつかの応用例を説明しますが、この例以外の産業分野であっても、類似の装置の内部で使用される重要ギアシステムが検査を必要とするのであれば、同様の手法を適用することができます。

ギアの検査

ギアの形状、形態は実にさまざまです。採掘装置内部で使用されているギアは、たいてい厚いグリースに覆われているため、ほとんどの非破壊検査(NDT)法では、このグリースの大部分を除去する必要があります。ギアは非常に大きく、多くの歯を検査しなければなりません。また、他の部品を取り外してからでなければアクセスできないこともよくあります。ギアは装置が運転できるか否かを決定する重要な役割を持ちますが、その検査のために装置を休止させてギアを取り外し、また、組み込むには多大な出費が伴います。したがって、ギアの歯の状態を普段から把握しておくことは、採掘作業を円滑に進めるために非常に重要です。ギアが破損すると、それが引き金となって装置の他の部分にも大きな損害を招く事が多く、さらに、交換ギアの入手のために長い時間がかかることがあります。装置を停止させればギアにアクセスできるので、ギアを徹底的に検査し、割れを精細に調べます。最も注目しなければならないのは、ギア表面における割れの長さの程度ですが、同時に、割れ同士がつながりかけていないかをチェックすることも重要です。割れに関して収集できる限りのできるだけ詳しい情報を得ることにより、ギアを修理するかまたは交換するかを的確に判断することができます。

Bull Gear

2800P 保守検査、または問題発生の疑いがある場合は、シャベル本体から車台を切り離してギアを取り外します。

Gear Tooth
face of gear

ギアの歯の側面に発生した割れ(その割れがギア表面に達しています)

割れがどの程度まで延びているのかを調べる方法として、磁粉探傷検査と浸透探傷検査とがあります。磁粉探傷検査と浸透探傷検査は、前処理と後処理における洗浄に長時間を要します。渦流探傷法も使用できますが、割れが材料中に入り込んでいる場合は深さ方向の正確な測定ができません。上端および表面/側面から従来方式の超音波探傷(垂直および斜角)を実行して割れの深さと長さを測定することも可能です。この方法では1回に使用できる角度が1つだけですから、通常は割れを目視観測してから、探触子を接触させる適切な角度/面を選択して割れの重大度を測定します。1回1角度という制約のため、割れの性質を明瞭に把握できないこともあります。しかし、フェーズドアレイならば、多数の角度から検査して割れ検出と特性を把握できるというメリットに加えて、広範囲の洗浄を行う必要がなく、表面の余分なグリースを拭き取るだけで測定が可能です。記録されたフェーズドアレイ画像を比較して、検査から次の検査までの割れの成長を正確にモニタリングできるほか、付随するA-スキャンを従来型の手動超音波探傷法で取得した長さ、深さ情報と比較することができます。Rexoliteウエッジを使用できるほか、別法として、取り外し可能な表面保護膜を使用してプローブの振動子を保護することも可能です。現場で直ちにデータの解析とレポート作成を行えることに加えて、PC上でOmniPCを使用して事後解析し、データを保存することができます。

Crack
Crack Reading

フェーズドアレイの重要な利点

使用機器

OmniScan SXMX2

フェーズドアレイプローブとウエッジ

オプションソフトウェア・アクセサリー

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この新ソフトウェアは、OmniScanデータ解析のための効率的で低価格のオプションソフトウェアです。 OmniScan搭載のソフトウェアの同じ解析ツールを備えており、PC上で自在に操作することができます。


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フェーズドアレイプローブ

フェーズドアレイ用途専用のプローブは、周波数範囲0.5 MHzから18 MHzで、エレメント数16、32、64、128のものを取り揃えています。 特殊なプローブにはエレメント数が数百のものもあります。