最後のフロンティアの制覇:AeroView™ ソフトウェアは、どのようにして Ruckus Space 社を航空宇宙産業用複合材料における成功に役立ったのか

最後のフロンティアの制覇:AeroView™ ソフトウェアは、どのようにして Ruckus Space 社を航空宇宙産業用複合材料における成功に役立ったのか

François Laflamme

François Laflamme

2025 年 2 月 25 日

Shawn Small氏は、自転車技術に対する愛着、機械工学の学位、世界にプラスの影響を与えたいという願望を結びつける手段として、2008年にRuckus Composites社を創立しました。

多種多様なカーボンファイバー製のパーツを検査するには、カスタムフェーズドアレイ・プローブが必要です。

多種多様なカーボンファイバー製のパーツを検査するには、カスタムフェーズドアレイ・プローブが必要です。

創立以来、Ruckus社ではエビデントの超音波探傷技術を使用して、8,000個を超えるカーボンファイバー製の自転車フレームを検査してきました。同社の経験と複合材料の研究を通じて、Shawn氏とRuckus社のチームは、超音波探傷検査、カーボンファイバー複合材料の修理および創出、影響力の大きな環境保護主義におけるリーダーとして国際的に認められるようになりました。

2019年までに、Ruckus社のカーボンファイバーに関する技術力を自転車フレーム以外のものにも拡大し、その時点で第二の会社、Ruckus Space社の設立を決意しました。Ruckus Space社は、革新的な探傷検査、修理、設計サービスを必要とする産業界、自動車業界、航空宇宙業界をターゲットとしています。

Shawn 氏は、ソフトウェアの柔軟性の高いレイアウトを調整して、表示を探傷検査のニーズに合うように最適化します。

Shawn氏は、ソフトウェアの柔軟性の高いレイアウトを調整して、表示を探傷検査のニーズに合うように最適化します。

この事業拡大に続き、Ruckus社では、弊社のAeroView™ Analysis ソフトウェアを使用し始めました。このソフトウェアは、航空機のフェーズドアレイ超音波データ解析専用に設計したものです。最近、Shawn氏と話す機会があり、その感想を伺いました。

AeroView™ ソフトウェアの活用について

Q:Shawnさん、こんにちは。最初に、Ruckus Space社と、その創設の経緯についてお話しいただけますか?

A:5年ほど前に、Ruckus Composites社の複合材料探傷検査分野がいよいよ忙しくなってきたため、複合材料の探傷検査部分をすべてを担い、対応できる顧客の種類の面でより専門的な第二の会社を分離独立しました。そのために、より多くの機器、設備、知的財産、特許出願を増やし、産業界・自動車業界・航空宇宙業界の3つの主要な見込み客をターゲットとするようになりました。そしてのちにこれがRuckus Space社となりました。

Q:エビデントのAeroView Analysisソフトウェアを、OmniScan™ X3超音波フェーズドアレイ探傷器と併用することで、Ruckus Space社の業務にどのように役立っていますか?

A:航空宇宙の面では、AeroViewによってカーボンファイバーチューブを解析する能力が非常に高まりました。例えば、今週は航空機の探傷検査を行う予定ですが、その間に機体に付属するカーボンファイバーチューブを 60本検査する予定です。弊社では機体の付属品の探傷検査を数多く実施しており、そのデータをAeroViewで解析しています。

カーボンファイバーチューブをチューブ水浸タンクにセットする様子。

カーボンファイバーチューブをチューブ水浸タンクにセットする様子。

AeroViewを用いることで、今では多くの自動水浸スキャンも実施でき、独自の水浸スキャナータンクを4個建造しました。2つはチューブに関わるものです。3メートルまでのチューブをスキャンできますが、この点でAeroViewが不可欠です。これらのスキャナータンクを用いて、特にチューブで、取付け前のものを数多く検査しています。ある企業のカーボンファイバーチューブの在庫をすべてスキャンして調べます。現時点では、検査対象となるチューブは数千本あります。自動水浸スキャンとOmniScan X3を使用することで、チューブ1本を約 3分でスキャンできます。次にスキャンしたデータをAeroViewで解析します。

チューブ水浸タンクのカスタム駆動部分。

チューブ水浸タンクのカスタム駆動部分。

Q:カーボンファイバー探傷検査プロセスの一環として、AeroViewソフトウェアを使用する主な利点は何でしょうか?

A:特にAeroViewを選んだのは、弊社で水浸スキャンを必要としていたこと、そして特にスキャニング方法に問題があったためでした。弊社の機械では、情報を一方向にしか記録できませんでした。つまり、私から見たAeroViewの主な利点の1つは、Cスキャン画像を生成するためにデータを90度回転させ、ゲートやゲートアラインメントを操作できる機能です。

単純なように聞こえますが、以前に使用していたソフトウェアではこのようなことができませんでした。また、径が非常に小さくて長いチューブをスキャンするため、データファイルを構築する方法がとても煩雑でした。AeroViewを用いると、データを回転させ、より適切に配置し、データ画面を編成できるため、これが弊社にとって非常に大きな利点となりました。

AeroViewのもうひとつの利点は、これまで使用していた他の探傷検査ソフトウェアよりも圧倒的に高速なことです。AeroViewのインターフェースは非常にモダンで、極めて動作が速いです。ゲートをすべて整列させて、再構築できるところも気に入っています。AeroViewではエコーをかけるあらゆるものをある程度平らにでき、その上にすべてゲート構築ができ、しかも、それが非常に高速に行われるのです。

これは本当に素晴らしい機能で、水浸タンク、機械加工、許容差、アプリケーションの課題をほぼすべて解消することができます。チューブが多少動いたり、一部のベアリングなどの振れがあったりしても、AeroViewで非常に簡単にすべてのデータを平らにして編成できます。これによって、常に良好かつ高速に欠陥を検出できます。

3軸ガントリーの水浸タンクに入れたカスタム平板試験片。

3軸ガントリーの水浸タンクに入れたカスタム平板試験片。

Q:AeroViewと、過去に使用していた他のソフトウェアシステムを比較して、解析の品質にどのような違いが見られますか?

A:以前は、今AeroViewで行っていることの一部さえもできませんでした。他のソフトウェアでは、水浸スキャンも自動スキャンもできませんでした。今ではこれらのスキャンが高解像度でできるようになり、データの質が大幅に向上しています。これは弊社にとって大変大きなことです。カーボンファイバーチューブのスキャンだけでも、AeroViewはRuckus Space社にとって多くの可能性を開いてくれたのです。

現在、生成・解析している超音波探傷検査データの量は膨大です。解析はより高速になり、データは非常に優れ、解像度は劇的に向上しました。データを解析する方法も、とても柔軟なものになりました。AeroViewは、弊社に多くの新しい可能性をもたらしてくれました。

Q:Shawnさん、ありがとうございました。エビデントの製品がお客様の新たな躍進に役立っている様子を伺うことができ、本当に感謝します。

A:お話しできて嬉しいです。エビデントは常にとても協力的で、このようなやり取りができることにも感謝しています。Ruckus Space社には、探傷の難しいパーツが数多く集まるため、世界中の複合繊維クライアントのニーズを満たすには引き続き適切なツールが必要です。

AeroView Analysis ソフトウェアの詳細

AeroView Analysis ソフトウェアは、.ndeデータフォーマットとの互換性があるため、以下の機器を使用して 0°(オーバーラップあり)で取得した PAUT データの解析が可能です。

AeroView Analysisは、データ収集用のOmniScan X4またはQuickScan iX PA+装置と併用する場合、AeroView Inspection ソフトウェアとも互換性があります。

AeroViewソフトウェアに搭載の解析ツールの詳細は、こちらをご覧ください。

AeroView Inspection ソフトウェアによるワークフローの効率化

AeroView Inspection ソフトウェアを用いると、OmniScan BlackBoxアプリを実行中のOmniScan X4装置またはQuickScan iX PA+データ収集装置を介して、PCやラップトップ上で PAUT データを直接取得できます。この構成を使用すると、解析に先立ちデータを転送する必要がありません。生産性を高めるために、AeroView Inspectionは一方で新規のパーツをスキャンしながら同時に検査済みのパーツの解析を行える柔軟性を備えており、一台のコンピューターで二つの検査事例に対応できます。AeroView Inspectionは、すべての128レシーバーチャンネルのOmniScan X4モデル(末尾に :128があるもの)とすべてのQuickScan iX PA+装置との互換性があります。

製品の詳細、デモ、お見積りをご希望の場合は、お近くのエビデント代理店にお問い合わせいただくか、こちらからお問い合わせください。

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François Laflamme

François Laflamme

システム計装およびアプリケーション担当ディレクター

François Laflammeは、2007年の入社以来、工学物理学の学位とその知識を非破壊検査(NDT)の分野に応用しています。NDT の専門家として Evidentに入社し、従来の超音波探傷(UT)システムとフェーズドアレイ(PA)工業用探傷システムを開発しました。その後、回転チューブ探傷システムのプロジェクトマネージャーとして世界的な大手パイプメーカーと緊密に取り組み、システムプロジェクトマネージャーとして自動パイプ探傷検査製品の開発と事業展開を支援し、現在はシステム計測およびアプリケーションチームを率いるディレクターを務めています。