航空宇宙用途におけるポータブル・フェーズドアレイ技術の進歩

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Benoit Cabirol

2026 年 3 月 3 日

非破壊検査(NDT)は、航空機の構造的健全性、耐空性、および長期的な安全性を維持する上で極めて重要な役割を果たしています。 航空機の耐用期間を通じて、重要な部品やアセンブリは継続的に検査され、正常な機能と規格への適合性が確認されています。 複合材料の採用拡大や形状の複雑化、そして高度な接合技術の発展に伴って、航空機の設計が進化するにつれ、こうした新たな課題に対処するため、検査技術も同時に進化していく必要があります。

航空宇宙分野の非破壊検査向けマルチテクノロジー超音波フェーズドアレイ探傷器 OmniScan X4

航空宇宙産業では、製造現場での導入や運用中のメンテナンスを問わず、正確かつ柔軟で効率的な検査ソリューションが求められています。 当社で最近開催したウェビナー、「OmniScan X4: 航空宇宙用途向けポータブルフェーズドアレイ技術の進歩」では、OmniScan X4 のプラットフォームが、こうした要件をどのように満たすかについて解説しました。 同システムのマルチテクノロジー対応機能、高度な画像処理技術、統合されたソフトウェアワークフローに焦点を当て、OmniScan X4 が航空宇宙分野の製造、最終組立、および保守点検をどのように支援しているかを紹介しました。

本ウェビナーは、非破壊検査部門のシニア・アプリケーション・エンジニアである Florin Turcu 氏と、非破壊検査製品アプリケーション・リーダーの Benoit Cabirol 氏が進行を務めました。 彼らのプレゼンテーションでは、プラットフォームの技術的概要と実用的な使用例を組み合わせ、ポータビリティ、画像処理性能、およびデジタル解析の向上がいかにして、より信頼性が高く、再現性があり、効率的な航空宇宙検査の実現に寄与するかを説明しました。

航空宇宙検査の現状と非破壊検査の課題

航空宇宙分野における検査は、原材料の検証や部品の製造から、最終組立、運用中のメンテナンスに至るまで、航空機のライフサイクル全体にわたって行われます。 検査員は、アルミニウムやチタン合金、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、ハイブリッド構造物などの材料において、腐食、ひび割れ、剥離、層間剥離、肉厚のばらつき、その他の欠陥を日常的に検出することが求められています。

こうした多様な検査シナリオに対応するため、航空宇宙分野の検査員は、複数の超音波検査手法に精通している必要があり、また安定した性能、汎用性、そして操作の容易さを兼ね備えた装置を使用しなければなりません。 Florin 氏とBenoit 氏が強調したように、渦電流検査や渦電流アレイ検査などの他の技術を用いることで、航空宇宙分野におけるさらなる検査課題に対処することが可能です。 しかし、OmniScan X4 は、幅広いフェーズドアレイプローブや超音波プローブ、スキャナー、および検査技術を活用し、多様な用途に対応できるよう設計されています。

「航空宇宙分野の検査では、扱う材料や欠陥の種類、検査段階が多岐にわたるため、単一の検査方法に頼るだけでは不十分な場合がほとんどです。」

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OmniScan X4: 航空宇宙向けポータブル・フェーズドアレイ・プラットフォーム

本ウェビナーでは、当社の超音波フェーズドアレイ探傷器 「OmniScan X4」 が主なテーマとなりました。 手動および自動検査の両方に対応するように設計されたこのプラットフォームは、高性能電子回路、マルチチャンネル機能、そして高度なイメージングモードを、堅牢で現場での使用に耐える筐体に統合しています。

Florin 氏と Benoit 氏は、OmniScan X4 が単一の用途に限定されないことを指摘しました。 むしろ、製造工程の品質管理、最終組立検査、予防保全や是正保全など、さまざまな用途に合わせて柔軟に活用できる検査プラットフォームとして機能します。 航空宇宙環境では、機体、エンジン、構造部品ごとに検査要件が大きく異なるため、この柔軟性は特に有用です。

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ウェビナーでは、RollerFORM™ スキャナーと OmniScan X4 を組み合わせたローカルイマ―ジョン法用いた複合パネルの検査に関する実演が行われました。

RollerFORM およびローカルイマ―ジョン法を用いた CFRP 複合パネルの検査

現代の航空機において複合材料構造の採用がますます広がっており、これに伴い検査面での課題も顕在化しています。 これはメーカーが複合材料の使用を拡大し続けるにつれて、その重要性が高まっていることを反映し、本ウェビナーでは、複合パネルの検査に焦点を当てました。

ライブデモンストレーションでは Florin 氏が RollerFORM スキャナーと OmniScan X4 を組み合わせて検査を行い、ローカルイマ―ジョンの実演を行いました。 従来の方法とは異なり、この手法ではスキャナーホイールに一体化した密閉式水柱を採用しています。 この設計は、水使用量を最小限に抑えつつ、安定した音響カップリングを実現しており、生産現場と航空機整備業務の双方において実用的な利点となります。 この技術により、層間剥離や接着不良を確実に検出できるだけでなく、広範囲にわたる厚み測定も可能になります。

このデモンストレーションでは、表面近傍の解像度の向上、64 素子または 128素子 のプローブを用いた大口径開口部への対応、通常 1 ~ 5 MHz の動作周波数、および大型複合材表面の効率的なカバレッジなど、この手法のいくつかの技術的利点が強調されました。

「OmniScan X4 と RollerFORM を用いたローカルイマ―ジョンは、特に航空宇宙分野の製造およびメンテナンス環境において、完全浸漬方式に代わる実用的かつ効率的な手法です。」

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AeroView-Analysis の主な機能には、カスタムレイアウトマネージャー、カスタムパレットエディター、分析ゲイン、ソフト TCG、フリーハンドサイズ調整、付箋、および欠陥指示テーブルが含まれます。

データ収集から洞察へ: AeroView-Analysis ソフトウェア

高品質な検査データを取得することは、航空宇宙分野の検査プロセスの一環に過ぎません。 そのデータを効果的に分析・解釈し、報告を行うことも、同様に重要となります。

ウェビナーの中で、Benoit 氏は、当社の超音波フェーズドアレイデータ解析用ソフトウェア 「AeroView™-Analysis」 を紹介しました。 航空宇宙分野の検査ワークフローをサポートするために開発された AeroView-Analysis は、詳細な評価と標準化されたレポート作成のためのツールを提供します。 主な機能には、カスタマイズ可能なレイアウトとカラーパレット、分析ゲインおよびタイムコレクテッドゲイン(TCG)、フリーハンドでのサイズ調整や注釈ツール、統計的要約を含む欠陥指示テーブル、信号対雑音比(SNR)分析ツール、およびレポートの自動生成が含まれます。 さらに、このソフトウェアではすべてのビューを 1:1 の比率で表示できるため、検査員はきずの大きさや位置を評価する際に、空間的な正確性を維持することができます。

AeroView-Inspection 実践編

Benoit 氏は、反復的なデータや大容量のデータを取得するために、OmniScan X4 に接続された当社の PC 用ソフトウェア「AeroView-Inspection」のデモを行いました。

デモでは、Glider XY スキャナーにニアウォールプローブを取り付けた検査が実演されました。 この構成は表面近傍の解像度に最適化されており、薄板、接着構造、および表面下のきずの検査に最適です。 また、表面付近の「デッドゾーン」を最小限に抑えるように設計されており、手動および自動の両方の検査設定に対応しています。

「AeroView-Inspection、ニアウォールプローブ、および専用ウェッジを組み合わせて使用することで、航空宇宙分野の検査員は、表面近くのデッドゾーンによって隠れてしまう可能性のある微細な欠陥を検出することができます。」

本ウェビナーでは、位相コヒーレンスイメージングを用いたアルミニウム部品のき裂検出および評価のライブデモが行われ、生成された画像上でき裂の先端や分岐が鮮明に強調される様子が紹介されました。

航空宇宙分野における高度なイメージング技術: トータルフォーカシングメソッドおよび位相コヒーレンスイメージング

ウェビナーの最後の技術セッションでは、高度なイメージング技術に焦点を当て、特に位相コヒーレンスイメージング(PCI)について詳しく解説しました。 従来の振幅ベースのイメージング手法とは異なり、位相コヒーレンスイメージングは位相情報を活用することで、亀裂先端や分岐部の可視性を高めます。 この機能は、老朽化した航空機群において一般的な懸念事項である、アルミニウム構造物の疲労亀裂の評価に特に有用です。

Benoit 氏 と Florin 氏 は、位相コヒーレンスイメージングが OmniScan X4 に統合されていることを実証しました。 さらに、本装置に組み込まれた「アプリケーションプリセット」機能により、検査員はこの新しい画像処理技術を自信を持って使用することができます。 位相コヒーレンスイメージングによって向上したコントラストと鮮明度により、きずのより正確な評価や保守判断が可能になります。

航空宇宙分野における非破壊検査ワークフローへの統合的アプローチ

OmniScan X4 のウェビナーで強調された主なポイントは、統合された非破壊検査エコシステムの重要性でした。 当社のハードウェア、プローブ、スキャナー、およびソフトウェアは、OmniScan X4 によるデータ取得から、AeroView ソフトウェアを用いた分析やレポート作成に至るまで、一貫したワークフローとして機能するように設計されています。

高度な複合材料検査技術から統合された分析ワークフローに至るまで、OmniScan X4 のエコシステムは、航空宇宙分野の検査プロセスをより連携の取れた一貫性のあるものへと転換させます。 このアプローチにより、 航空宇宙関連組織は、検査の再現性の向上、きずの検出および特性評価の改善、研修と導入の効率化、ならびにトレーサビリティと文書化の向上が可能となります。

「航空宇宙分野における非破壊検査の真の価値は、その汎用性にあります。つまり、検査ニーズの変化に応じて、さまざまな材料を検査するために、複数の超音波フェーズドアレイ探傷手法やワークフローに対応できる単一のシステムであるということです。」

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OmniScan X4: 航空宇宙用途向けポータブルフェーズドアレイ技術の進歩 ― 当社の専門家、Florin Turcu 氏および Benoit Cabirol 氏によるウェビナー

このオンデマンド・ウェビナーをご覧いただくことで、ポータブルフェーズドアレイ技術の最近の進歩が航空宇宙分野の検査にどのような影響を与えているか、そして、OmniScan X4 が、ますます複雑化する航空宇宙構造物の検査をどのようにサポートしているかをご確認頂けます。

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