Remote Collaboration Service(RCS)によるタンク貨車探傷検査プロセスの監視・管理の大変革
最近発売されたOmniScan X4探傷器は汎用型のマルチテクノロジー探傷ツールで、基本的な超音波探傷(UT)検査や従来型のフェーズドアレイ(PA)検査から最先端のトータルフォーカシングメソッド(TFM)や位相コヒーレンスイメージング(PCI)に至るまで、幅広い検証法を実施できる検査機能を搭載しています。
直感的に操作できるスキャンプランとアプリケーションプリセットが備わっているため、あらゆる使用経験のユーザーにとって設定プロセスも探傷検査プロセスも簡単です。しかし、どれほどユーザーフレンドリーなシステムであっても、サポートや相談が必要な状況は発生するものです。そのような場合にOmniScan X4 Remote Collaboration Service(RCS)が非常に重宝されます。障害を取り除き、円滑に探傷検査を進める助けとなるからです。
すでにOmniScan X3で試験を重ねているRCSは、非常多くの用途で役立つことが証明されています。こちらのお客さまの声に目を通し、鉄道業界の具体的な事例をご覧ください。
Remote Collaboration ServiceはZoomベースのビデオ会議アプリであり、すべてのOmniScan X4探傷器でご利用いただけます。
道整備という多忙な業界では、安全性と効率を確保するための技術革新が重要となります。このインタビューでは、タンク貨車の超音波探傷試験(UT)に関する幅広い経験がある技術者のJason Combs氏が、探傷検査プロセスに対する先端技術の革新的な役割についての見解を披露します。
鉄道車両のリース・製造・修理業界の主力企業の1つ、Union Tank Car Company(UTLX)の社員であるCombs氏が、タンク貨車の探傷検査にかかわる主要な課題と、Evidentの技術、すなわちRemote Collaboration Service(RCS)が鉄道業界の安全対策を支える堅牢で最新式の構造検査プログラムを実施するための解決策となる次第について内部関係者の視点で解説します。
従来のプロセスにRCSを取り入れることで、Combs氏やUTLX社の技術者が互いに連携してタンク貨車の探傷検査に取り組む仕組みに大きな変化をもたらしました。搭載されているZoomベースの通信アプリRCSの多くの機能をさまざまな方法で活用することによって、作業効率を上げるだけでなく検査要員の安全性も改善しています。
UTLX社の広範な鉄道修復
Combs氏の最初の言葉から、非常に多くの鉄道車両修理拠点を監督するUTLX社の事業規模が垣間見えます。「私は中央技術サービスグループで働いています。このグループではMarmon Railの各社に対する技術プログラムの管理、トレーニング、サポート、規制監視を実施しています。グループでは、北米全体にまたがる数十ヵ所の鉄道車両施設と、約100ヵ所のフィールドサービス拠点やオンサイト拠点を担当しています。当社はこの業界で最大の鉄道車両修理サービス提供者です」。
Combs氏は、安全上の問題や環境有害性を防ぐためにタンク貨車を最適な状態に保全するというUTLX社の方針を強調しています。「多くのタンク貨車の場合、超音波検査法を用いて最も頻繁に探傷する部分が貨車の底部となります。そのため、貨車が既定期間の運行を終える毎に、この部分の探傷検査を実施します。探傷検査は、タンク貨車の故障リスクを減らすための検査です。当社では、整備工場から出した車両のすべてが規制要件を上回る状態に保たれているように最善を尽くしています。」
次にCombs氏はUTLX社での役割について大まかに説明しました。「私は技術サービスグループにて、従来型の超音波探傷、フェーズドアレイ、TOFD、TFM検査のトレーニングを担当しています。ASNTレベルIII、PCNレベル2、PCNレベル3の資格があり、社内技術者に対する超音波検査トレーニングの大半を担っております。技術者は、ほぼEvident社の装置だけについて学びます。最初にEPOCH™ 650を使用して基本的な超音波検査の理論と通常の用途について学び、その後OmniScan装置を用いた高度な技法まで進み修了します。」
現在UTLX社の一部の修理工場にある装置はOmniScan MX2モデルのため、すべての技術者がOmniScan X3探傷器の構成を使用できる状態にすることが目標であると、Combs氏は述べました。「最終的には、今あるすべての装置をOmniScan X3とAxSEAM™ またはHMST-Flexスキャナーの組み合わせにアップグレードしようと考えています。これらの装置は汎用性が高く連携機能もあるからです。32:128モデルでは、より厚い材料を探傷検査し、多種多様な表面コーティングを透過できる大きな柔軟性が得られます」。
OmniScan X3探傷器と組み合わせたAxSEAMロングシームスキャナー(左)とHSMT-Flex円周溶接スキャナー(右)
タンク貨車の探傷検査装置で重要となる必要条件
Combs氏は、インストラクターと技術者の両方の視点から、UTLX社の探傷検査技術者が使用する装置にOmniScan X3探傷器を選びました。「装置に求めることは、主に、その操作方法をいかに簡単に教えられるかと、画面から画面へどのようにつながるのかという点です。タンク貨車の内部で装置の画面を調べて設定が正しいことを確認する場合、メニューが適切に一定の方向に進み続ける必要があります。身体で覚えているほど簡単に、つまり、ボタンを押すだけで次の画面に進んで必要な変更を加えられる簡単な操作が必要です。何か間違いがあった場合も、どの画面に進めば修正できるのかが分かる必要があります。そのための画面の流れと装置の使いやすさが重要なのです。」
Combs氏が選ぶ理由は使いやすさだけではありません。定評のあるOmniScanの堅牢性も指摘しています。「他社の装置も試しましたが、残念ながら当社検査条件の両極値には耐えられませんでした。」
厳しいバランス調整作業:品質を維持しながら生産性を向上
タンク貨車の探傷検査では、技術者が狭い空間に入ります。「当社には、技術者がタンク貨車に入る前に完了しなければならない、非常に厳格な安全指針を設けています。安全性の観点からすべての項目の署名による承認を得て初めて、必要な作業を実施できます」。
狭い空間に入る作業を削減することが最優先です。「目標は、可能な限り技術者がタンク貨車に入らないようにすること、またはタンク貨車内にいる時間を制限することです。多くの場合、OmniScan X3 RCSは修理工場で稼働していますが、自分たちで問題のトラブルシューティングができるため、生産性の低下を防げます。」
OmniScan RCSをスマートフォンに接続して遠隔サポートを受ける探傷検査技術者
Remote Collaboration Service(RCS)とは
RCSは、OmniScan探傷器(MXU 5.9以降)にワイヤレスネットワークで接続して利用できるアプリケーションで、多数のバーチャルコミュニケーション・遠隔サポートツールが搭載されています。RCSアプリを起動すると、装置の画面を他のユーザーと共有したり、ビデオ会議中に外部からOmniScan装置をコントロールしたりする共同作業が可能になります。遠隔地の協力者が、探傷器の画面で状況を確認しながらリアルタイムで助言し、問題の指摘や欠陥指示の分析に役立つ注釈を付けることもできます。Remote Collaboration Serviceの詳細については、こちらのパンフレットをダウンロードしてご確認ください。
RCSが役立ったCombs氏とUTLX社のタンク貨車技術者の4事例
Combs氏は具体的な事例を挙げて、RCSを用いることで自身とUTLX社の技術者の作業がどのようにより簡単に、より効率的になったのかを説明しました。
- トラブルシューティング:「技術的問題を抱えている修理工場がありました。技術者から連絡を受けて、私はRemote Collaboration Serviceを使用してみようと伝えました。最初に、OmniScan X3をWi-Fiに接続して良好な信号が受信できるよう、新しいソフトウェアをOmniScan X3にアップロードする提案をしました。その後、私が遠隔環境で参加して完全な校正ができるように支援しました。このようにして、修理工場の稼働を継続できました。RCSがなければ、おそらく1シフト分相当の生産性が失われていたでしょう。」
- リモートトレーニング:「昨年、休暇でフランスを訪れた際に、ある技術者からメールで連絡がきました。私はRemote Collaboration Serviceを使用してフランスに滞在しながら、米国にいる技術者のOmniScan X3の設定を支援できました。」
- 専門家への相談:「手動でフェーズドアレイ検査を行っていたある技術者から、ある部分をスキャンして探傷する際に私に確認してほしいという依頼がありました。そこで一緒に探傷検査を行い、その技術者が見たものが実際に欠陥指示であることを確かめました。その技術者の判断は正しかったため、その後技術者は大きな自信を得ました。」
- テクニカルサポートを受ける:「当社の数名の技術者に対し、Evident社の技術サービスチームがRCSを用いてリモートで支援していただいたこともあります。これは非常に便利でした。」
世界中どこからでも技術者の持つOmniScanの画面を見ることができるため、従来型のサポートよりも大幅な改善効果が得られると、Combs氏は述べています。「技術者から電話連絡があり、何も見えない状態で装置の画面操作を細かく教えようとし、なぜ信号が受信できないのか、なぜ応答がないのかを一緒に考えようとする状況を想像してください。」リアルタイムで専門知識を伝えて、重要なサポートができるため、Combs氏にとってRCSは欠かせないツールです。遠隔環境での連携が容易になったことで、OmniScanはUTLX社のタンク貨車探傷検査プロセスの効率化、生産性の向上、ダウンタイムの最小限化に貢献しています。