3D画像生成ソフトウェアのアップグレードにより、工業用内視鏡検査に強力な分析ツールを
工業用内視鏡検査は安全で効率的な非破壊検査(NDT)方法で、検査員が直接アクセスすることなく、パイプなどの検査を行うことが可能です。この手法では、通常、ビデオボアスコープを用いて、パイプラインの内部や他のアクセスが難しい領域の高解像度の映像を撮影します。
このビデオボアスコープ映像はリアルタイムでモニターしたり、アップロードして詳細解析を行うことが可能です。3DAssist™ ソフトウェア 上で数クリックするだけで、画像データが360度、3Dモデルに変換することができます。
3DAssistソフトウェアは、重要検査領域に新たなレベルのインサイトをもたらします。
3DAssistソフトウェアは、当社の IPLEX™ ビデオボアスコープ と組み合わせて使用することで、検査映像をダイナミックな3Dモデルに変換し、卓越したディテールが視野に表示されます。錆、減肉、表面の凹凸などの検査領域の360度回転可能な3D画像により、まるで標本を直接観察しているかのように、細部を見ることができます。現場に行かずとも、脆性域をどこからでも詳細に検査し、確かな評価を行い、詳細な報告書を作成して共有することができます。
ソフトウェアは使い方も簡単です。従来、ビデオボアスコープで3D画像を生成するには、ステレオアダプターチップが必要でした。 現在、3DAssistは、単眼光学アダプターを用いてビデオファイルから3D表示を作成することができる唯一のソフトウェアです。 標準的なモノラルチップでも、広い視野で撮影することができます。 これにより、映像を3D画像に変換する前の開始点として、より包括的な像が得られます。
これらの画像の作成には、特別な機器は必要ありません。 プロセスは簡単です:
- 検査を記録します
- 映像を、IPLEXビデオボアスコープからお使いのPCにアップロードします。
- 対象領域を選択します
- 3DAssistソフトウェアで、見やすい3D画像に処理します。
新しい分析ツールでより高精度な3D画像を生成し、より説得力のあるレポートを作成します。
近年、当社では、3DAssistソフトウェアをアップグレードし、より説得力のある画像と役立つ検査データを提供する新機能を搭載しました。 工業用内視鏡検査の改善を目的に設計された、強力な分析ツールにより、標的領域をより高い精度で評価することが可能です。
改善内容には、参照曲面、カラーグラデーションオーバーレイ、断面プロファイル表示、最深点と最高点に基づく高度な画像計算などが含まれます。
これらの改善の概要について説明します。
1. 3Dスケーラー計測 - 曲面基準モードに対応
3DAssistソフトウェアは、強力で直感的な3Dスケーラー計測モードを特長とし、以下の機能を搭載しています。
- 2点間計測: 指定された2点間の距離を計測します。
- 面基準計測: 選択した点から3つの基準点で定義された基準面までの距離を計測します。
- 曲面基準: 選択した点から3つの基準点で定義された基準曲面までの距離を計測する新しいモードです。
錆こぶや減肉を正確に評価するために設計された新しい曲面基準モードは、パイプ表面形状を基準面として正確な高さと深さの計測を行うことが可能です。 この革新的な方法により、検査員は従来のイメージング技術よりも高い精度で欠陥や対象領域を評価することが可能になります。
画像(左から右、上から下): 1)パイプ損傷の3Dモデル. 2)曲面基準計測モードを使用した基準曲面の生成. 3)断面3Dモデルにおける基準曲面.
2. 高さと深さに基づいた3Dカラーマップ
3DAssistソフトウェアの新しい3Dカラーマップ解析機能は、基準面に対するオブジェクト表面の高さおよび深さに基づいて、オブジェクト表面に3Dカラーマップを重ね合わせます。 さらに、この機能は、表面の高さと深さの方向に基づいて、3Dカラーマップ範囲を独自に調整することができます。
左: パイプ損傷の3Dモデル. 右: 3Dカラーマップ解析を行った同じモデル.
基準曲面計測モードと組み合わせると、3Dカラーマップ分析により、パイプ表面のより高く深い領域を、一目で識別して解釈することが可能です。
左: 凹凸のある表面サンプルの3Dモデル. 右: 基準曲面計測モードで、3Dカラーマップ解析を行った同じモデル.
3. 選択した点で指定されたプロファイル分析
当社の新しいプロファイル分析機能により、ユーザーが定義した面に基づいて3Dモデルの詳細な断面図を生成し、特定領域における表面粗さを強調することが可能です。 2点の計測点があれば、簡単に断面図を作成することができます。 基準表面が設定されると、最大高さと最大深さが同時に算出・表示されます。 プロファイル分析により、複数の表示可能な表面プロファイル間の切り替えを簡単に行うこともできます。
画像(左から右、上から下):1)パイプ損傷の3Dモデル. 2)プロファイル分析を用いて生成した、指定領域の断面プロファイル. 3)別の視点から見た同じプロファイル.
4. 最深/最大地点の算出
最深/最大分析は、表面の基準点2点を用いて指定領域において最も深い場所と最も高い場所を算出し表示する、3DAssistの新しい機能です。 このインサイトは、隆起や減肉領域など、表面の凹凸に関する正確なデータを提供することで、より明確で深みを増した検査レポート作成が可能です。
左: 選択した基準点2点を用いたパイプ損傷の3Dモデル。右: 最深/最大分析を用いて作成された次元オーバーレイにより、最深地点と最高地点の間のパーセンテージの範囲を表示。
曲面基準分析と3Dカラーマップ解析を組み合わせると、最深/最大分析により検査レポートに卓越したディテールが追加され、画像解釈に対する信頼性がさらに増します。
左: 凹凸のある表面サンプルの3Dモデル。右: 同じモデルに最深/最大分析、曲面基準分析、3Dカラーマップ解析を適用。
検査中の共有と共同作業をより簡単に
3DAssistソフトウェアは、物理的な場所に関わらず、より適切な意思決定を可能にしすることで、パイプなどの設備検査を簡素化します。 標準的な検査レポートを、多様な3D比較測定機能を駆使して、ダイナミックかつ詳細な分析へと変えます。
3D画像はクリップボードに簡単に保存して、レポートに貼り付けることができ、モデルと計測は保存していつでも呼び出すことができます。 さらに、モデルは画像の側に置いて、背景を示すことができます。 また、3DAssistソフトウェアは共同作業を効率化し、Microsoft TeamsなどのPCベースのツールを通して画像やレポートを共有することが可能になります。
3DAssistソフトウェアは、すべてのステークホルダーが欠陥の重大度を迅速に評価し、自信を持って次の手順を決定できるように設計されており、数クリックで360度回転可能な3D画像を作成することが可能です。 画像は、オフィスから直接分析・共有することができ、現場に足を運ぶ手間を減らすことができます。 一連の強力な分析機能により、3Dモデルはこれまで以上に多くのインサイトを提供します。
3DAssistソフトウェアは、新規および既存のIPLEX NX、IPLEX GX/GT、IPLEX G Lite、 およびIPLEX GAirビデオボアスコープと互換性があります。3DAssistソフトウェア が、詳細分析により検査レポートをどのように強化するかについて、詳細をご覧になりたい方は、今すぐお問い合わせいただき、 デモをご予約ください。