PMI検査用Vanta
X線分析装置
概要
稼働時間を最大限に伸ばす堅牢設計のハンドヘルドXRF
Vantaハンドヘルド蛍光X線（XRF）分析計は、配管、バルブ、溶接部、各種部品、圧力容器を含むPMI検査において、迅速かつ正確な化学分析と合金判定を行います。
Vanta分析計は以下の用途において必須のツールです。
- 重要な箇所に適切な合金が使用されているかどうかの確認
- 米国石油業界（API）の推奨方法（RP）578（新規及び既存の合金パイプシステムの材料検証プログラム）への準拠
- 硫化腐食の予測（API RP 939-C）
- 流れ加速型腐食（FAC）の予測
- フッ化水素（HF）アルキル化装置の残留元素による腐食の予測
- クラウド技術対応
堅牢
最大限の生産性を追究するVanta分析計は、最高425°Cの高温システムと高温サンプル表面の稼働中検査に対応できます。
検査環境は電子機器にとって負担となることがあり、破損が生じた場合には時間とお金がかかってしまいます。
Vanta分析計は、稼働時間を伸ばして所有コストを低廉化する耐久性を備えています。
- 米国の軍用規格（MIL-STD-810G）に準拠した 落下試験 に合格しており、分析計が落ちたりぶつかったりした際にも、損傷して修理にお金がかかるリスクが低くなっています。
- IP55 に準拠した防水防滴防塵性能を備えています。 ※
- CシリーズとMシリーズに搭載されているディテクターシャッターによって貫通が防止されるため、凹凸のある表面でも良好に分析できます。
- フルデューティーサイクルで-10°Cから50°C（14°Fから122°F）の温度範囲に対応しています。 ※※
※ MシリーズはIP54準拠。
※※ オプションのファン使用時。ファンなしで33°Cで連続運転できます。
革新
Vanta分析計では、最初の検査から最後まで、一貫して正確な結果が得られます。
Vantaシリーズに搭載されている当社独自のAxon Technologyでは、超低ノイズの電子素子 が使用されているため、1秒あたりのX線カウントが増加し、正確かつ再現性のある結果が迅速に得られます。
Axon Technologyに新しい クアッドコアプロセッサー を組み合わせることで、Vanta分析計の応答性が大幅に向上し、従来の性能の限界を超え、最短時間で最善の結果が得られます。Axon Technologyは、テスト間および分析計間における 再現性 が優れているため、どの分析計を使用しても、初回の検査結果と最後の検査結果が一致します。
また、Axon Technologyは極めて低い検出限界（LOD）に対応できます。
多才
ユーザーフレンドリーなソフトウェアにより、検査担当者は最低限のトレーニングでも検査を実行できるようになります。
- 検査情報から検査現場へのトレーサビリティを向上させるため、GPS、サンプルカメラ、さらにはパノラマカメラが統合されています。
- タッチパネルディスプレイは、屋内でも屋外でも明るく鮮明に表示され、文字も見やすくなっています。
- 直感的でわかりやすいユーザーインターフェ―スで操作が簡単です。
- どの機能をメインスクリーンに表示するかをカスタマイズできます。
- USBフラッシュメモリ、ワイヤレスLAN、Bluetooth ® により、簡単にデータをエクスポートできます。
- 各ユーザー固有のユーザー名とパスワードでログインします。
- 人間工学に基づいて設定されたボタンや工業用途に適したプッシュボタン式ジョイスティックにより、手袋着用時でもUIを容易に操作できます。
ソフトウェアと各種機能
データのトレースと簡単レポート作成
VANTAは、効率的なデータ保存とデータのトレースのために、さまざまな機能を装備しています。
- オプションの二つのカメラ：5メガピクセルのパノラマカメラと照準カメラ
- GPS機能を内蔵
- エクスポート可能なオート日時スタンプ機能
- 各プロジェクト、業者ごとにカスタマイズ可能なデータラベルのテンプレート作成機能
- オプションの無線LANとBluetooth®接続による、データのダウンロードと保存
溶接材料ライブラリー
溶接材料ライブラリーは総合的なPMI検査を実現するために、標準の合金ライブラリーと併用することで、高精度に溶接材料を識別します。オプションの3mmコリメーターとカメラ機能により、以下のような細かい部分の分析も可能です。
- 溶接部と母材を個別に測定
- 結合金属部分
- 合金
- 小型部品
- ワイヤー
- はんだ
残留元素(トランプ元素)
VAMTAには合金品種別に残留元素(トランプ元素)の最大許容濃度を規定した、業界基準に基づく残留元素ライブラリーが搭載されています。さまざまなアプリケーションにおける重要な残留元素を、マッチングの正確性や測定速度に影響を及ぼすことなく測定します。
- ライブラリーに基づき、XRFでは検出できない元素が存在している可能性を自動的に特定
- 金属の価値または後処理に影響を及ぼす、リサイクル金属中の混入物質や残留元素を特定
- ファミリー別に残留元素の最大許容濃度を設定可能
- 混入物質が存在する場合に警告を表示
材料検証のための必須事項
VANTAは、API、ASME、AWSの法規と推奨方法に沿い、プラントや製油所などにおける、既存および新規設備の材料検証に対応する有効なツールです。
- 構造材の成分確認
- 材料試験報告書や材料証明書の検証
- 素材がトレースできない材料、またはマーキングが不適切な材料の判定
仕様
Vanta仕様
Core：1.62kg（バッテリーを除く。バッテリー搭載時は1.85kg）
Core：グラフェンウィンドウ付のシリコンドリフトディテクター
湿度：非結露の相対的湿度10%〜90%
Vanta Core：IP55準拠*防塵および全方向からの低圧ジェット水に対する防水性能
MaxとCore：検出器の損傷を防ぐための頑丈な検出器シャッター
*使用位置
PCへの接続用USB 2.0対応ミニBポート（x1）
PMI分析計VANTAで法令順守を実現
今日の産業環境において、分析計Vanta™は材料の法令順守プログラムと供給チェーンの総合的安全性を保証する重要な機器です。
分析計Vantaは以下の成分を正確に再現性をもって検出し、定量化します：
- 低合金と炭素鋼における残留元素（RE）
- 炭素鋼中の微量シリコン（Si）、API RP 939-Cに準拠
- 供用期間中のステンレス鋼中の硫黄（S）とリン（P）
米国石油業界（API）の推奨方法の実践
分析計Vantaは、API（RP 578：新規及び既存の合金パイプシステムの材料検証プログラム）及び硫化腐食感受性を評価するAPI RP 939-Cに準拠するための重要なツールです。
流れ加速腐食
Vantaはケイ素を検出することにより効果的に流れ加速腐食（FAC）感受性を評価します。
フッ化水素（HF）アルキル化装置
分析計Vantaは、フッ化水素（HF）アルキル化装置の残留元素による腐食感受性の評価にも対応できる信頼性の高い解析ツールです。
アプリケーション
Vanta分析計では、さまざまな用途において迅速に結果が得られます。用途に特化したソフトウェア機能により、検査担当者は簡易化されたレポート作成や追跡可能な検査結果など、分析計を最大限に活用できます。
自動車触媒リサイクル用Vanta
VantaハンドヘルドXRF分析計は、自動車触媒コンバーター材料に含まれる白金族金属（PGM）のパラジウム（Pd）、プラチナ（Pt）、ロジウム（Rh）を、高速かつ正確に測定できます。現場で測定することで、リサイクルチェーン全体で触媒スクラップの効率的な選別と価格評価が可能になります。
環境アセスメント用Vanta
環境アセスメント調査用のハンドヘルド蛍光X線分析計Vantaは、土壌に存在する重金属汚染物質のスクリーニングや、環境修復および環境アセスメントに関するデータを、高精度に素早く取得可能なツールです。 操作性に優れたVanta分析計は、過酷な屋外環境でも使用できるよう、堅牢で耐久性に優れた設計を採用しています。
製造品質管理・品質保証用Vanta
Vanta分析計は、重要な機器や部品に用いられている材料が、正しい合金品種であるかどうかを確認するのに有効です。Vantaは、確実な品質保証と管理のために、受入・納入材料の検査に適した非破壊検査ツールで、合金の品種と番号をわずか数秒で判定します。
鉱山 / 地質用Vanta
ハンドヘルド蛍光X線分析計Vantaは、さまざまな地質・鉱物調査の現場において、その場で迅速に成分分析ができます。Vantaは、地質探査、鉱石品位管理や加工、環境修復活動など、鉱物資源プロセスの全サイクルにわたって、パワフルで柔軟な性能を発揮します。
スクラップ・リサイクル用Vanta
リサイクル及びスクラップ選別用Vantaハンドヘルド蛍光X線分析計は、モデルに応じてIP54またはIP55の防水防滴防塵性能を備え、米国の軍用規格（MIL-STD-810G）に準拠した落下試験に合格しているので、過酷な検査環境における破損を軽減し稼働時間を延ばすことができます。
PMI検査用Vanta
合金・PMI（材料検証）用ハンドヘルド蛍光X線分析計Vantaは、プラントなどの重要な箇所に使用されている合金品種と番号を素早く高精度に判別し、正しい材料が使用されているかどうかを検証することができます。
Vanta-RoHS規制物質検査
ハンドヘルド蛍光X線分析計Vantaは、RoHS規制有害物質やその他の国・地域の法的規制へ対応するための有効なツールです。 Vanta分析計は鉛（Pb）、カドミウム（Cd）、水銀（Hg）、クロム（Cr）、臭素（Br）の含有量を高速でスキャンし、消費材の化学分析結果をその場で取得することができます。
貴金属解析用Vanta
貴金属解析用ハンドヘルド蛍光X線分析計Vantaは、宝飾品解析や自動車触媒のリサイクルにおいて、迅速で正確な合金品種判定やカラットの品位判定を行って金、プラチナ、銀、ロジウムを特定します。
アクセサリー
Vanta™ 分析計は、オリンパスの最も高性能な蛍光X線（XRF）機器です。 IP認定済みで耐落下テストに合格した、この堅牢なVanta蛍光X線分析計を使用すれば、フィールドでも検査室での品質結果レベルの正確な元素成分分析を迅速に実施することが可能になります。
オリンパスでは、幅広い用途でVanta分析計の測定効率を最大にするオプションアクセサリーをご用意しています。
Vantaワークステーション
ポータブルなVantaワークステーションはバッテリーで動作し、出先での検査に向いています。 ポータブルワークステーションには、フルインターロック式の蓋と360度シールドが装備されており、袋詰め試料、下処理済み試料、液体試料、小さい試料（宝石や回路基板など）の検査に適しています。 このＸ線ビーム遮蔽の装備において、ユーザーは、Vanta PCソフトウェアまたはVantaモバイルアプリを用い、本分析計を操作します。
ポータブルVantaワークステーションは、さまざまな用途で効果を発揮します。
- 地質探査
- 鉱業の工程管理
- RoHS（有害性物質の制限）/消費者向け製品
- 環境分析
ワークステーションは安定性の高いプラットフォームで、長時間の検査が可能になります。 これにより、ワークステーションでの検査を開始しやすくなり、Vanta機器が分析実施中に、他の作業を完了することもできます。 検査試料が安定し、その位置の再現性が保証されるため、本機は高品質なデータと効率的な試料のスループットを確実に提供します。
使いやすさ
- Vanta分析計をカチッとはめ込み、ボタンを押して取り外すだけ
- 開閉が静かな蓋
- 試料を配置しやすい：前壁やへりがなくすっきり
- Vanta分析計をコントロールして、ワイヤレスまたはUSBケーブル接続経由でデータを転送
ポータブル
- バッテリーとAC電源でベンチトップにも屋外使用にも対応
- 持ち運びや設置が簡単
- 試料室と脚部が分かれるので収納しやすい
- オプションのキャリングケース
安全設計
- 完全遮蔽型のインターロック式試料室：107 mm × 178 mm × 179 mm（4.2インチ× 7インチ× 7インチ）
- よく目立つ大きく明るい放射線警告LEDライト
小型
- 36.6 mm × 33 mm（14.4インチ× 13インチ）
その他のVantaアクセサリー
Vantaホルスター
Vantaホルスターを使うと、分析計を安全にしっかり保持し、すぐ手の届くところに携帯できます。 ホルスターには、装置を固定するための留め具付きストラップ、追加固定のためのMOLLE/PALSウェビング、真ちゅう製シールドが付属しています。
Vantaプローブシールド
プローブシールドは、低密度試料の検査による後方散乱放射線を遮へいします。 このアクセサリーは、検査中に操作者方向に後方散乱するX線を遮蔽することで安全性を高めます。
本アクセサリーの詳細はこちら：動画を閲覧
Vantaホットヒール
900℉（480℃）までの高温の配管や機器を検査する場合、ホットヒールによってVanta分析計への熱伝導が最小限に抑えられ、表面汚染が低減されます。 ホットヒールキットには高温測定ウィンドウが含まれます。
Vanta溶接部マスク
ウェルドマスクは、溶接ビードの分析時に母材からの干渉を防ぎます。 このアクセサリーはVanta分析計のフェイスプレートに置き換えて使用します。Ｘ線ビームを3 mm幅のスロット内に限定することにより、溶接ビードの迅速な分析を可能にします。
Vantaハンドヘルド蛍光X線分析計を使用した溶接線分析の詳細はこちら：
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溶接部マスクの設置方法
Vantaキャリーケース
Vantaハンドヘルド蛍光X線分析計を安全に運搬する、頑丈なハードシェルケース。
Vantaワークステーション、プローブシールド、ホットヒール、および溶接部マスクは、Vanta Element蛍光X線分析計と互換性がありません。
