高度な分析と強力な取得機能を組み合わせたポータブル検査エコシステム
20 年以上にわたる技術革新の集大成として、パワフルかつポータブルなOmniScan™ X4超音波フェーズドアレイ探傷器が誕生しました。検査員は、複数の検査手法を組み合わせて表示を検証することで、最高水準の信頼性で評価を行うことができます:
- フェーズドアレイ(PA)と従来型超音波試験(UT)
- TOFD 法
- トータルフォーカシングメソッド(TFM)
- 位相コヒーレンスイメージング(PCI)
- 平面波イメージング(PWI)
ピーク効率をサポートするOmniScan X4 ユニットのマルチグループ機能と最適化されたレイアウトにより、異なる画像化技術(例:ツイン TFM/PCI)の同時取得と並列比較が可能です。より高速なプロセッサー、拡張された RAM、そして高度な画像処理ツールを搭載したこの OmniScan の最新機種は、誰でも簡単に操作することが可能です。
製品の主な特長と新性能の詳細についてはこちらからご覧ください。
ワークフローを最適化する新しいアプリをご紹介
エビデントは定期的なソフトウェア更新を実施します。当社のウェブサイトから無料でダウンロードが可能です。
例えば、ある更新では当社の革新的なPCIが導入され、現在ではさらなる更新により OmniScan Black Boxアプリ を使用することができます。
OmniScan Black Box アプリでは何ができるのか?
OmniScan Black Box アプリ(通称 OBB)は、追加費用なしで OmniScan X4 の性能と機能をさらに向上させます。まず、OBB アプリをご使用のOmniScan X4 探傷器にインストールして起動し、収集装置をコンピューター制御された構成に組み込みます。
ご使用のパソコンで OmniScan X4 の遠隔コントロールを開始する前にいくつかご確認ください:
OmniScan X4 のコンピューター制御セットアップのための要件
- OmniScan X4ユニットは、少なくとも128 の受信チャンネルがあるモデルでなければなりません。これには 64:128PR、32:128PR、16:128PR 構成を含みます。
- 無料の OmniScan Black Box アプリをご使用の OmniScan X4 ユニットにインストールする必要があります。ダウンロードはこちら。
- ご使用のパソコンには、WeldSight InspectionソフトウェアまたはAeroView™ Inspectionソフトウェアがインストールされている必要があります。いずれのソフトウェアも、OmniScan X4 ユニットにインストールされた OmniScan Black Box アプリとご使用のパソコン間での通信を可能にする NDT Device API と互換性があるためです。
これらのコンポーネントについて詳細情報をご希望の場合は、エビデントの担当者にご連絡いただくか、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
OmniScan Black Box の仕組み—概要
OmniScan X4とHSMT-Flex™スキャナーの取得をコントロールするWeldSightソフトウェア。
仕組みを大まかにお伝えするために、ワークフローの概要の例を次に示します:
- セットアップ: まず、OmniScan X4 をパソコンに接続し、その後プローブまたはスキャナー部品をOmniScan X4 に繋いで通常どおりにセットアップします(上の例を参照)。
- 検査: OmniScan X4 で OmniScan Black Box アプリを実行すると、「ブラックボックス」として機能し、データを取得してパソコンに直接転送します。WeldSight Inspection ソフトウェアまたは AeroView Inspection ソフトウェアを使用して OmniScan X4 でのデータ取得を操作することができ、データはご希望のレイアウトで表示できます。
- 解析: Analysis ライセンスにより、WeldSight ソフトウェアまたは AeroView ソフトウェアを使用して、結果の仕様に合わせた詳細な解析を行うことができます。高度な分析用に設計されたWeldSight と AeroView ソフトウェアは、レイアウトと表示のレイアウトをカスタマイズするツール、カラーパレットを個人用に設定する機能、およびデータを多様な方法で分析する機能を備えています。
Q:WeldSight とAeroView ソフトウェア、どちらを使用すべきか?
A: 石油・ガス業界や石油化学業界にて、溶接検査や腐食検査等を行い、複雑な損傷メカニズムの分析を主な業務としている場合、WeldSight ソフトウェアがおすすめです。一方、航空宇宙分野や複合材料のゼロ度検査に特化した専用ソフトウェアとして、AeroView ソフトウェアをご用意しています。
OmniScan Black Boxアプリを実行し、GLIDERスキャナーを使用してOmniScan X4で取得したデータを示すAeroView InspectionソフトウェアでのライブCスキャン。
WeldSight や AeroView ソフトウェアを使用する理由
パソコンを使用して OmniScan X4 をコントロールすることで、その高速性と携帯性を活かしつつ、WeldSight または AeroView ソフトウェアの高度な分析機能とカスタマイズ機能を活用できます。
カスタマイズ可能なレイアウト、表示方法、カラーパレットにより、柔軟性を高めるだけでなく、高度なツールを活用することで、メーカーの仕様書などの要件に準拠した徹底的なデータ分析を実施できます。具体的には以下のツールが含まれます:
WeldSightソフトウェアまたはAeroViewソフトウェアについての詳細はこちらからご覧ください。
OmniScan Black Box ソリューションが効率を高め、機能を拡張する、その他の方法について引き続きお読みください。
大規模な作業の検査ワークフローを効率化
技術者が大型なものの点検を行う際、作業のすべての工程においてより時間がかかります。OmniScan Black Box アプリはOmniScan X4 をコントロールしているパソコンにデータを直接転送するため、わざわざデータを送る必要がなく、すぐに解析を開始できます。
大型の石油・ガスまたは石油化学圧力容器および配管ネットワーク用に検査および解析ワークフローを最適化。
大規模な溶接検査や腐食監視の分析を加速するため、WeldSight ソフトウェアのツールを活用することで効率を向上します。具体的には、データとファイルの統合機能や、カスタムレイアウトとカラーパレットなどの機能を利用できます。また、カスタマイズ可能で使いやすいスプレッドシートベースのテンプレートもあり、ニーズに合わせたプロフェッショナルなレポートを生成できます。
AeroView ソフトウェアの場合でも、複合材料航空機部品の分析において同様の効率向上の効果が得られます。AeroView ソフトウェアは、アプリケーション専用のワークフロー、分析ツール、およびカスタマイズ可能なレポートを備え、複合材料およびカーボンファイバー部品の大規模な検査を効率化します。こちらのブログでは、Ruckus Space が航空宇宙宇分野のクライアント向けに AeroView ソフトウェアを使用してどのようにデータ解析の効率を向上させているかをご紹介しています。
カスタムの平板複合試料を三軸ガントリー浸漬タンクに装填する。
データ保存オプションを拡大
OmniScan X4 で取得したデータは直接パソコンに転送されるため、OmniScan Black Box 構成によって、より多くのデータ保存オプションをご利用いただけます。ネットワーク構成に応じて、お好みのストレージメディアにデータを保存するように設定可能です。ご使用のネットワーク構成によっては、パソコンの設定を変更して、データを任意のストレージメディアに保存するように設定できます:
- 内蔵ハードディスク、フラッシュドライブ、または外付けハードディスク
- ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されたストレージデバイス(例:サーバー)
- クラウドベースのデータベース
データがパソコンに直接転送する場合、保存可能な容量は利用可能なストレージ容量とLAN ネットワーク構成にのみ制限されます。
パワフルで高度な超音波検査法を遠隔で利用する
高度な PAUT、TOFD、および TFM構成では、通常、より多くのビームとより細かいカバー範囲が必要となります。OmniScan X4 モデルは 128 の受信チャンネルを搭載し、これらの要件を満たすための高度な焦点法則機能を備えています。
これらのモデルはOmniScan Black Box アプリと互換性があるため、検査員が距離を保ったまま作業を行う必要があるアプリケーションにおいて、検査性能と精度を向上させるために使用できます。危険区域にある検査対象物、例えば原子力発電所の放射線区域などがその一例です。
ご使用のパソコンでOmniScan X4をコントロールするためにOmniScan Black Boxアプリを使用して、放射線危険区域外でのデータ取得と記録を可能にします。
未加工の FMC データが必要で従来の枠にとらわれない方々への追加情報
この最終ポイントは、新たなデータ再構築手法の実験を通じて、困難な応用分野における解決策の開発に取り組む非破壊検査(NDT)の研究者および科学者の方々が対象です。OmniScan Black Box アプリは、これらの方々にも機会を提供します。
OmniScan Black Boxアプリを実行しているOmniScan X4で取得したデータを使用した、パソコンでのフルマトリックスキャプチャエレメンタリーAスキャンの再構成
OmniScan X4 64:128PR モデルにアプリをインストールすることで、そのフルマトリックスキャプチャ(FMC)データセットの記録と読み取りが可能になります。ただし、これを実現するためには、生FMCデータを処理できるプログラムを設定するためのソフトウェア開発の知識が必要です。
エビデントの開発部門は、この目的のために、独自のアプリケーションを構成する方法に関する基本的な手順書を作成しました。詳細はこちらをご覧いただき、さらにサポートが必要な場合は当社のサポートチームにご連絡ください。
すべての要件を満たすことで、OmniScan X4 の FMC データから得られる基本的な A スキャンを、TFM 画像の再構築や、想像できるあらゆる画像再構築パターンに利用できます。64:128PR モデルの 128 エレメント TFM 機能が新しいアプリケーションデザインにもたらすあらゆる可能性を考えてみてください。皆さんがどのように実現されるかを楽しみにしています。
詳細については、エビデントの担当者にご連絡いただくか、こちらよりお問い合わせください。